2017 Fiscal Year Research-status Report
メカニカルストレス下における骨細胞アポトーシスとp53、CCN2の関与
Project/Area Number |
17K17303
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉澤 光弘 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (40792164)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯学 / メカニカルストレス / 骨細胞 / アポトーシス / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正歯科治療において矯正力が負荷されると、骨リモデリングにより歯が移動する。矯正力による骨リモデリングは、骨細胞がメカノセンサーとしてメカニカルストレスを感知し、破骨細胞および骨芽細胞の機能を制御して生じ、さらに骨細胞のアポトーシスが骨吸収に関与する可能性が示唆されているが、その詳細なメカニズムは不明である。本研究では、骨細胞を介した骨吸収の分子メカニズムの解明のため、骨細胞に発現しメカニカルストレスに応答する CCN2 およびアポトーシス誘導因子である p53 に着目し、メカニカルストレスを負荷した際に生じる骨細胞のアポトーシスと破骨細胞とのコミュニケーションについて検討を行う。 本年度は、圧縮力負荷時における骨細胞のアポトーシスへのp53とCCN2の関与を検討する目的で、6週齢の雄性ICRマウスの頭蓋冠に圧縮力を付加した。頭頂骨を露出させ、頭頂骨に穴を開け、矢状縫合部を跨ぐようにして矢状縫合部に対し垂直な面の水平方向に0.2Nの圧縮力が付加されるようにスプリングを挿入した。対照群にはスプリングは挿入しなかった。0、3、6時間の圧縮力負荷後、全身麻酔下で 4%パラホルムアルデヒドにて灌流固定を行った。頭蓋骨を摘出後、通法に従い脱灰、脱水処理を行い、パラフィン包埋ののち厚さ5μmの水平断連続切片を作成した。得られた組織切片を用いてTUNEL染色、CCN2およびp53に対する免疫染色を行った結果、p53およびCCN2のタンパク質発現量は、圧縮力負荷3時間後に対照群と比べ有意に上昇し、TUNEL染色における陽性細胞の割合は圧縮力負荷6時間後に対照群と比べ有意に上昇した。このことから、マウス頭蓋冠におけるメカニカルストレス負荷はアポトーシスを誘導し、p53とCCN2が関与している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
6週齢の雄性ICRマウスの頭蓋冠にスプリングを挿入するマウス頭蓋冠圧縮力負荷モデルを作成し、in vivoにおいてメカニカルストレス応答を観察できるようになった。しかしながら、本年度に予定していたin vitroでの検討は達成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度はマウスから単離した骨細胞を 6 well プレートに播種し、CCN2 あるいは p53 に対する siRNA を用いてCCN2 あ るいは p53 の遺伝子発現をノックダウンする。その後、骨細胞に圧縮力を負荷し、TUNEL染色を行い骨細胞のアポトーシスを検討する。さらに、CCN2 あるいは p53 に対するノックダウン後の細胞に圧縮力を負荷後、経時的に RNA およびタンパク質を抽出し、CCN2、p53、Caspase-3, 8, 9 の発現を定量的 RT-PCR およびウェスタンブロット法を用いて定量的解析を行い、骨細胞へのメカニカルストレス負荷時にお けるアポトーシスおよび破骨細胞誘導に対する CCN2、p53 の関与を検討する。 上記のin vivoおよびin vitroの結果から検討し、メカニカルストレスを負荷した際に生じる骨細胞のアポトーシスとp53、CCN2の役割について論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
本年度はin vivoでの実験を中心に計画しマウス頭蓋冠に圧縮力を負荷する研究を行った。実験の進捗にやや遅れが生じ、in vitroでの検討実験を行うことが出来なかったため次年度使用額が生じた。 これらはin vitroでのメカニカルストレス負荷実験における定量的解析に使用する。
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Research Products
(5 results)