2019 Fiscal Year Annual Research Report
The basic research to apply bone augmentation by RANKL-binding peptide to the treatment for cleft palate cases.
Project/Area Number |
17K17314
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
上原 智己 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50783130)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RANKL / ペプチド / 顎骨造成 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの取り組みにより、薬剤の注射に用いる担体の粒子直径を小さくすることで操作性が向上し、新生骨の形態をある程度コントロールすることが可能になった。本年度は新生骨の長期的維持と機械的刺激の関連を解明することに先立ち、新生骨の骨密度の経時的変化について長期的な観察を行った。マウス上顎第一臼歯近心の歯槽骨にBMP-2とRANKL結合ペプチドを注射投与し、新生骨を経時的に評価するため、In vivo マイクロCT撮影による3次元骨形態計測と、組織形態計測用蛍光色素の投与を行った。8週経過後にすべてのマウスを安楽死させ、非脱灰凍結切片を作製して組織学的解析を行った。2週経過後から骨様不透過像がCT画像上に生じ、新生骨部の平均骨密度は265 mg/cm3であった。新生骨部の骨密度は経時的に増加し、2週経過時点と比較すると4週経過時点で約2倍、8週経過時点で約3倍に達した。本研究で観察した期間において、新生骨は機械的刺激を与えられなくても維持された。また、新生骨部だけでなく隣接する母骨の骨密度も経時的に増加することが明らかになった。 本研究課題ではBMP-2とRANKL結合ペプチドの併用により誘導した新生骨に機械的刺激を与えることで、新生骨が長期的に維持されるか否かを明らかにすることを目的とし、これまでに「矯正モデル」「歯槽骨吸収モデル」などの様々な実験系を用い検討を行った結果、新生骨の形態のコントロールが可能になり、新生骨及び母骨の骨密度の長期的な経時変化を明らかにすることができた。今後の展開としては、新生骨を有効に利用し、利用した際の新生骨と母骨の経時的変化を確認することなどが考えられる。本研究課題では、今後の実験を行うにあたり、有用なデータと実験手技を獲得できたことが成果として挙げられる。
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