2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of real-time stress monitoring system in pediatric dentistry
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17K17316
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
関矢 多希 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (10732696)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小児歯科 / 自律神経活動 / 脳波 / ストレスモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
小児歯科の診療現場では、低年齢児や障害児に加え、診療への非協力児など様々な患児を対象としている。彼らは自身の感情や心的ストレス状態の変化を言語化するのが容易ではない。また、一見診療に対して協力状態にあったとしても、内部にストレスを喚起している場合があると報告されている。安全で快適な歯科診療の提供、質の高い医療を寄与するために、術者は彼らの内的ストレス変動を知り、それぞれの患児に適した対応をとることが望まれる。 本研究では、チェアサイドでの感情変化を可視化し、リアルタイムモニタリングシステムの構築、感情変化を簡便に測定できる装置開発を目的としている。これまで、歯科治療時の感情評価に有用な生理学的指標を明らかとするため、自律神経活動、脳波から得られる感情変化に着目し、その動態を探ってきた。 2020年度に4歳~9歳までの小児を対象としコンポジットレジン修復処置中の自律神経活動と脳波の記録解析を行い、年齢層による比較を行ったところ、自律神経活動解析では、4歳~6歳の年齢層ではラバーダム防湿時に、6歳~9歳においては、浸潤麻酔・ラバーダム防湿・タービンによる窩洞形成時に、ストレスによる交感神経活動の上昇と副交感神経活動の低下が観察された。また脳波解析では、6歳~9歳の年齢層において、浸潤麻酔・タービンによる窩洞形成時にβ波の上昇が認められた。得られた結果を包括的に考察し、2021年度に論文を作成し、国際誌にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実施者が産前産後育児休暇中にて研究の実施が不可能であるため。育児休暇終了後の研究再開を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
歯科治療に関する小児のストレス応答について、さらに多角的な視野から包括的に評価するために得られた結果をもとに、新たな研究計画を作成する。 これまで、歯科治療中に起きる生理学的なストレス反応の評価を行ってきたが、歯科治療にはラテックスや即時重合レジンなどの嗅覚による刺激も含まれ、小児に不快感をもたらす一因となる。これらの刺激によって喚起される変化についても記録・データ解析を行い、より広い視野から小児のストレスモニタリングを行う。また、小児へのスムーズな歯科診療への導入を図り、リラックス効果をもたらす香料の検索を行い、診療への緊張感の軽減を目指す。
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Causes of Carryover |
研究計画において記録する自律神経活動の変動を、さらに詳細にかつ明確に解析するために新たな解析ソフトを購入する必要がある。また関連する消耗品、備品の購入の必要がある。
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Research Products
(1 results)