2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K17319
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 功次朗 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40736625)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 筋硬度 / 口唇閉鎖不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
口唇閉鎖機能不全と関連する生体への影響 、口呼吸等の機能障害、形態異常等に伴う社会心理学的問題および 正常な成長発育にも大きな影響を及ぼすなど多岐 にわたり、これらに関連した患者QOLの低下は社会的問題の一つになっている。しかし、口唇閉鎖機能の評価法としてこれまで主流とされてきた形態的および機 能的評価法は未だ不十分である。申請者は 、スポーツ医学 、リハビリテーション分野で、筋の緊張と硬さは連動するとの知 見がすでに報告されていることに 着目し、口唇閉鎖機能不全患者で口唇閉鎖時において口腔周囲筋が緊張状態に あると考え、その硬さ(筋硬度)に着目し、形態的、機能的および質的(筋硬度)側 面から多角的アプローチを行ない、口唇閉鎖機能の定量化と口唇閉鎖機能不全診断法の確立を目指す。 平成30年度は、正常咬合者における口腔周囲筋筋硬度の検索および、被験者の選定と術前前歯部形態再現デバイ スの作製を進めながら分析を行ない、得られた結果から臨床応用を目指す。矯正歯科治療前後の口腔周囲軟組織の筋硬度の測定を行う。具体的には動的矯正治療終了患者を対象とし、デバ イス装着時(口唇閉鎖不全状態)および非装着時(口唇閉鎖機能が改善した状態)で筋硬度測定を行う。得られたデ ータをそれぞれ、治療前の筋硬度( pretreatment muscle hardness:以下Premh)治療後の筋硬度(post treatment muscle hardness:以下Pomh )とし、それぞれのヒステリシスカーブを分析し、比較検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先端形状の改良により、筋硬度測定が行えるようになり、本年度も引き続きより多くの筋硬度データを採得する予定であったが、複数回計測によって得られるデータのバラツキが大きく、個性正常咬合者の筋硬度標準値の設定が困難であり、工学部のアドバイザーとディスカッションを行なったところ、押し込む速度を機械的に一定にする方法を検討する必要があるかもしれないとのことで、なかなか本データ採得が行えない状態となり、測定方法の改良と見直しを余儀なくされたために計画よりは遅滞した状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究デザインを大きく変更する必要性は少ないが、安定した筋硬度データ採得を可能とするために、工学部のアドバイザーの先生に協力を仰ぎながらデータのばらつきを少なくするための方法を引き続き模索し、本データ採得をおこなう。 また、再現デバイスに関しては、モデリングを行い作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究機器の改良とデータ採得方法の大幅な見直しが必要となり、研究計画が遅滞し、予定していた予算額全額を執行するには至らなかった。
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