2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the homeostasis retaining mechanism with autophagy in orthodontic tooth movement.
Project/Area Number |
17K17324
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 政裕 岡山大学, 大学病院, 助教 (20708036)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 実験的歯牙移動 / オートファジー / 細胞内恒常性維持 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯に矯正力を加えると周囲歯槽骨の骨代謝が亢進し歯牙移動が可能となる。その際、骨基質表層の骨芽細胞では、基質タンパク質合成が亢進するだけでなく、様々な病的環境に曝され、細胞の恒常性は低下していると推測されるが、その詳細な分子メカニズムは未だ不明な点が多い。本研究の目的は、矯正的歯牙移動時の骨芽細胞におけるオートファジーを介した恒常性維持機構を明らかにすることである。 本研究では、LC3-GFPトランスジェニックマウスおよび骨、軟骨組織特異的にオートファジーをノックアウトしたTwist2-cre;ATG5 flox/floxマウスを用いオートファジーの発現動態および機能解析を行う予定であった。しかし、所属施設の遺伝子改変動物飼育施設の移管に伴い、遺伝子改変マウスの系統維持、作出が困難となったため、C57BL/6マウスに対し実験的歯牙移動を行い、オートファジーの発現を確認した。その結果、牽引側歯槽骨周囲骨芽細胞にオートファジーマーカーであるATG5の発現を認めた。また、興味深いことに歯牙移動時の歯根吸収が生じている歯根表層でも同様に発現を観察することができた。骨芽細胞周囲の病的環境を観察したところ、低酸素状態が歯牙移動初期から確認された。また、小胞体ストレスマーカーであるCHOPの発現もATG5発現前に同一領域に認められた。さらに、成体マウス頭蓋冠から単離した骨芽細胞において病的環境に対するオートファジーの動態を観察したところ、5%の低酸素ストレス環境下ではオートファジーマーカーの増加が認められ、小胞体ストレスマーカーの増加に伴うオートファジーマーカーの発現上昇も観察することができた。 これらのことから、実験的歯牙移動時の病的環境に曝された骨芽細胞において、細胞恒常性維持のためオートファジーが関与している可能性が示唆された。
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