2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of risk factors of dental caries and established the more effective preventive method
Project/Area Number |
17K17326
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大原 紫 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 専門研究員 (80634469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 齲蝕 |
Outline of Annual Research Achievements |
齲蝕は小児歯科臨床において最も多く遭遇する疾患であり、個人が保有する齲蝕原因菌の病原性を把握したうえで個々に適した齲蝕予防法を確立することが重要である。齲蝕の主要な原因菌であるStreptococcus mutans (S.mutans) は口腔内の様々な環境変化による影響を受けている。その齲蝕原性を変化させる環境因子を明らかにし、その齲蝕原性を低減される効果的な齲蝕予防法の確立の一助となることを目的として研究を行っている。 小児歯科外来受診の低年齢小児を対象とし、口腔内からプラークを採取し、S.mutansの分離ならびに同定を行った後、バイオフィルム形成を行い、採取したバイオフィルムならびに上清部分の浮遊細菌よりそれぞれmRNAを抽出し、gtfB,atpD,Amlおよびquorum sensingシステムに係わるcomBCについてRT-PCR法により、それぞれのmRNA定量を行った。gtfBはバイオフィルム内での発現減少が認められた。また、Severe-Early Childfood Caries罹患児より分離されたS.mutansを高齲蝕群、それ以外を低齲蝕群として、酸性下での性状について比較したところ、高齲蝕群S.mutansは酸性化でより生存する傾向が見られ、gtfB,atpDの発現量との関連性が窺われた。 最終年度は、齲蝕発症リスクレベル低減に係わる研究として、S.mutansの酵素活性阻害物質による齲蝕原性への影響について標準株を用いて検討した。阻害物質を加えて培養後、RT-PCR法により、triterpenoidによりcomBCに発現上昇が認められた。また、triterpenoid・キシリトール併用で、それぞれの単独使用に比較し、triterpenoid1/2量+キシリトール1/10量で同等の抑制効果があった。
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