2018 Fiscal Year Research-status Report
アロマターゼ遺伝子欠損マウスにおける肥満と慢性炎症病態の関連性の解明
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17K17333
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩浅 亮彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (90746025)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アロマターゼ / エストロゲン / 変形性顎関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
エストロゲンの発現が低下したアロマターゼ遺伝子欠損マウスでは、アロマターゼ欠損によって内臓脂肪および体重の増加を引き起こし、肥満によって脂肪組織中の単球走化活性因子(MCP-1)の発現が亢進し、末梢組織に浸潤することで、唾液腺にシェーグレン症候群類似の慢性炎症病変が生じることを報告している。 この末梢組織に慢性炎症状態をきたしたアロマターゼ遺伝子欠損マウス、またはアロマターゼのインヒビターを投与したアロマターゼ抑制状態下のマウスを用いて、アロマターゼとマウスの顎関節における顎関節リウマチや、変形性顎関節症といった口腔領域でみられる慢性炎症病態との関連性を明らかにすることを目標に実験を行っている。 これまでの研究では、アロマターゼインヒビターを腹腔内投与し、アロマターゼの機能を抑制したアロマターゼインヒビター投与マウスの内臓脂肪において、内臓脂肪中の炎症関連因子であるMCP-1、およびF4/80、TLR-4、NF-κBの発現の亢進を認めている。 またアロマターゼインヒビター投与マウスの顎関節における病理組織学的検討をおこなったところ、アロマターゼインヒビター投与マウスの顎関節組織切片のHE染色、TRAP染色、サフラニンO染色では、アロマターゼ遺伝子欠損マウスと同様に、下顎頭の軟骨層の減少ならびにTRAP陽性破骨細胞数の増加を認めたことから、アロマターゼインヒビターの投与によるエストロゲン減少状態が顎関節の慢性炎症状態を引き起こし、顎関節リウマチや変形性顎関節症発症に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アロマターゼ遺伝子欠損マウスの作製段階で時間を費やしており、先にインヒビター投与マウスの実験を進めているが、インヒビターの投与量、投与回数、投与間隔等について予備実験を行う必要があったため、実験条件を決定するのに予定より時間がかかっている状況である。 また、インヒビターを投与するだけでは変形性顎関節症の症状が顕著に出現せず、さらにマウスを強制開口させて、機械的負荷を顎関節にかけた状態にすることで、インヒビター投与と病態悪化との関連が明白になるように強制開口状態のマウスを作製も進めているが、強制開口させることで食餌がうまく摂取できずにマウスの生存が困難となるなどの技術的な問題が生じたため、実験条件、手技を繰り返し検討することで時間を費やしてしまっている。ただ、現在は実験条件も整い、実験は順調に遂行出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
続けて、アロマターゼ遺伝子欠損マウスの作製を進めるととともに、アロマターゼインヒビター投与マウスを用いて、変形性顎関節症とアロマターゼの機能低下との関連を明らかにしていく予定である。その方法としては、アロマターゼインヒビター投与マウスと野生型マウスに強制開口させて、アロマターゼインヒビターの影響を検討するが、解析方法としては、病理組織切片を作製し、HE染色、TRAP染色、サフラニンO染色およびIL-1などの免疫染色を行う方法と、マイクロCTを用いて、下顎頭の形態や表面形状、ならびにBV/TVやTb.Th、Tb.N などの形態計測を行う方法を検討している。さらに、脛骨を回収し、RT-PCRにて骨組織でのMCP-1、F4/80、TLR-4、NF-κB、IL-1、IL-6、TNF-αなどの炎症マーカーの発現についても検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
年度末にアロマターゼインヒビターが不足していたため追加で購入しようと、実験で必要な量を計算したところ、必要量を購入するだけの残額が残っていなかったため、次年度に持ち越して次年度分と合わせて必要量を注文、購入して実験を行っていくこととした。現時点では、アロマターゼインヒビターは最優先購入物品であるが、高価な薬品であったことを検討すると次年度使用額として残すことは妥当であったと考える。
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Research Products
(4 results)