2018 Fiscal Year Research-status Report
呼吸様式が認知機能に与える影響について:NIRSによる検討
Project/Area Number |
17K17340
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
大塚 剛郎 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40516754)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 光トポグラフィ / 近赤外線分光法 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正歯科臨床において、口呼吸により上顎前突や開咬等の不正咬合が生じるほか顎顔面骨格の成長にも悪影響を及ほすことか指摘されている。人間の生理的呼吸様式は本来鼻呼吸であるが、何らかの原因により鼻閉が生じると正常な鼻呼吸が障害され口呼吸を行う。口呼吸時の問題点として、頭痛、疲労感、睡眠障害、 注意力の低下により QOL(生活の質)が低下するという報告も散見される。矯正治療を希望する不正咬合患者の中には、鼻閉などにより鼻呼吸が障害され口呼吸を行う患者も多数見受けられる。口呼吸がもたらす障害として顎顔面の成長発育異常・不正咬合・口腔乾燥・歯周疾患など口腔内に限局するものや、仕事や学習における持久力や活動力の低下など認知機能に及ぶものまで様々な事象が指摘されている。本研究は呼吸様式が認知機能にどのような影響を与えるのかを非侵襲的脳機能計測技術(近赤外分光計測(NIRS)を用いて神経科学的に客観的に解明することを目的とした。通常の鼻呼吸を行う健常者に対して実験的に鼻閉状態をおこし人為的な口呼吸状態を再現した。認知機能を客観的に判断する材料として、作業記憶試験などにも用いられる”Nバック課題”を行った。口呼吸状態時と通常の鼻呼吸時における課題遂行時の認知機能をNIRSを用いて前頭前野活動を計測することにより認知機能を客観的に判断することにより、生理的な呼吸様式を 獲得することの必要性・重要性を広く社会にアピールすることをゴールとする。当該年度の研究成果としては、健常ボランティアにおける実験的鼻閉塞時の脳活動を定量的に観測し、ある程度の被験者数のデータを取得することができ、解析を行うことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ようやく研究方法が確立し、健常ボランティアにてデータ採取を行い目標としていた被験者数までは到達することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
データ解析を行い結果をまとめ、学会発表等を積極的に行い成果を論文として公表していく予定である。
|
Causes of Carryover |
引き続き実験を行っていきデータをまとめていく予定である。学会発表や、論文として公表していくため論文の英語校正費用や掲載費に使用していく計画である。
|