2017 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼筋適応機構におけるmicroRNA調節とエピジェネティクス制御の役割
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17K17342
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
梅木 大輔 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10514937)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 咀嚼筋 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科矯正治療(咬合の改善)の目的の一つに口腔機能の改善がある。口腔機能の中心的役割を果たす咀嚼筋は四肢の骨格筋と同様に可塑性を有し、その表現型(筋線維サイズ、筋線維タイプ)や生理機能は様々な咬合の状態に適応することが知られている。しかしながら、骨格筋の適応機構の詳細は未だ不明な点が多く、また咀嚼筋でのこの種の研究は非常に少ない。これまで実験動物にラットを用いて咀嚼筋の適応現象を解析し、咬合状態の変化が咀嚼筋の表現型および生理機能に影響を及ぼす事を観察した。本研究では実験動物にマウスを用いて咬合挙上モデルを作製する(mRNAおよびmiRNAの発現解析、機能解析を行うため、遺伝情報の豊富なマウスを実験動物に用いる)。 平成29年度はマウスの咬合挙上モデル作製を行なった。我々が以前研究で使用していたラットの咬合挙上モデルを参考に、下顎切歯に咬合挙上板を装着したマウスの咬合挙上モデルを作製し、挙上は切歯で2㎜程、2週間の飼育にも耐えうることを確認できた。エサ、水の摂取量ともに問題がないことも確認できた。屠殺後咬筋の摘出を行い、咬合挙上群では咬筋筋重量の増加および筋線維の肥大を確認した。 その後、適応現象を誘発する分子機構を解明するため、可能性のあるシグナル伝達経路に関与する因子の発現量およびリン酸化レベルをWestern blotting法にて定量的に解析。また、咬合拳上により活性化されるシグナル伝達経路に対するデキサメサゾンの拮抗作用について解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度はマウスに下顎切歯に咬合挙上装置を装着するタイプのマウスの咬合モデル動物を作製し、咬筋の肥大を誘発する分子機構の解明を始めた。咬合挙上に拮抗作用があると思われるデキサメサゾンを投与し、シグナル伝達経路に関与すると思われるAkt/mTOR経路およびERK1/2経路のリン酸化レベルの解析を行った。Western blotting法に用いる転写装置に不具合が生じたため若干進行が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、咬合挙上がマウスの咬筋に与える影響を、 1.(1)表現型(筋線維サイズ、筋線維数、筋線維タイプなど、(2)生理機能(筋活動量、発生張力、ATPase活性など)の両面から定量的に解析し、咬合挙上に対する咬筋の適応現象の詳細を明らかにする。2.咬筋の適応機構を分子レベルで解析する。具体的には、咬合挙上により(1)発現が誘発されるmiRNAの解析(マイクロアレイおよびリアルタイムPCRを用いる)、(2)引き続き、活性化されるシグナル伝達経路の解析をwestern blotting法にて解析する。
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Causes of Carryover |
Western blotting法に用いる転写装置に不具合が生じたため若干進行が遅れてしまった。そのため当初の予定まで実験が進まず、次年度使用額が生じてしまった。マイクロRNAの解析を今後行うので、試薬の購入に使用する予定。
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Research Products
(1 results)