2018 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼筋適応機構におけるmicroRNA調節とエピジェネティクス制御の役割
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17K17342
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
梅木 大輔 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10514937)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 咀嚼筋 / シグナル伝達経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科矯正治療(咬合の改善)の目的の一つに口腔機能の改善がある。口腔機能の中心的役割を果たす咀嚼筋は四肢の骨格筋と同様に可塑性を有し、その表現型(筋線維サイズ、筋線維タイプ)や生理機能は様々な咬合の状態に適応することが知られている。しかしながら、骨格筋の適応機構の詳細は未だ不明な点が多く、また咀嚼筋でのこの種の研究は非常に少ない。これまで実験動物にラットを用いて咀嚼筋の適応現象を解析し、咬合状態の変化が咀嚼筋の表現型および生理機能に影響を及ぼす事を観察した。本研究では実験動物にマウスを用いて咬合挙上モデルを作製する(mRNAおよびmiRNAの発現解析、機能解析を行うため、遺伝情報の豊富なマウスを実験動物に用いる)。 平成30年度は、咬合挙上がマウス咬筋においてマイクロRNAの発現レベルの変化に影響を与えることが予備実験で示唆された。その結果を踏まえ、当初の予定を変更し、マイクロRNAの発現レベル(miR-1、miR-182、miR-206)をリアルタイムPCR法にて解析した。 その結果、咬合挙上を行った群においてmiR-182、miR-206の著しい発現レベルの上昇を認めた。その後、適応現象を誘発する分子機構を解明するため、可能性のあるシグナル伝達経路に関与する因子の発現量およびリン酸化レベル(FoXO3、ERK1/2、Akt、CaMKII、HDAC、NFAT)をWestern blotting法にて定量的に解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は当初、筋活動量や発生張力などの生理機能の解析を行う予定であったが、予備実験の結果により、マイクロRNAの発現レベルの解析を先に行うこととなった。解析の順番は入れ替わったもののおおむね順調に進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
Western blotting法によるシグナル伝達経路に関与する因子の発現量およびリン酸化レベルの解析後、筋活動量や発生張力などの生理機能の解析を行う。
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Causes of Carryover |
実験計画の順序に変更があったことにより、購入した試薬の種類にも変更があった。そのため次年度使用額が生じてしまった。令和元年度は咬筋の筋電図をテレメトリーシステムにて記録し、筋活動量(daily duty time)を解析する。その際、マウス用送信器(TL11M2-F20-EET)の購入が必要である。また、解析後は送信器再生サービス(電池交換、リード線交換、再滅菌等)を業者委託することで繰り返し実験に利用する予定がある。
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