2017 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌感染が糖尿病性心筋障害と選択的オートファジーの関連に及ぼす影響の解明
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17K17347
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
始平堂 由佳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60791853)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯周病 / 糖尿病 / 心筋梗塞 / 選択的オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
心血管疾患の最も重要な危険因子のひとつである糖尿病の患者数は、本邦においても年々増加の一途をたどっている。そして糖尿病患者における急性心筋梗塞を含む冠動脈疾患の死亡リスクは、非糖尿病患者に比べて有意に高いことが知られている。この原因として、糖尿病患者では急性冠症候群の再発率が高いことや、糖尿病そのものによる心筋障害が合併症としての心不全発症率を高めるためであると考えられている。糖尿病による心筋障害の原因として、これまでに障害を受けたミトコンドリアから漏出する活性酸素種の関与が示唆されてきた。また、近年、糖尿病による心筋障害にはオートファジーの抑制も関与していることが指摘されるようになった。申請者は、歯周病原細菌が感染している梗塞心筋では心破裂が頻発しており、その原因はミトコンドリア選択的オートファジー(マイトファジー)が抑制されているためであることを報告した。本研究ではこの成果を発展させ、糖尿病に歯周病原細菌の感染が併発することによる心筋機能障害の発症機序をオートファジー制御異常という観点から解明することを目的とする。さらに、歯周病原細菌が有する病原体選択的オートファジー(ゼノファジー)を回避するしくみがマイトファジーも抑制しているかどうかを明らかにし、このしくみが新規の心不全治療の標的になり得るか検討する。 本年度は培養心筋細胞を用い、インスリン過剰状態でのマイトファジー活性について解析を行った。また野生型マウスに冠動脈結紮を施して慢性心筋梗塞モデルを作成し、偽手術群との間で比較検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育児による制約があったため、当初の予定どおりに実験が進められず、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病モデルマウスと野生型マウスにて心筋梗塞を作成し、歯周病原細菌の感染により心機能が受ける影響について比較・検討を行い、糖尿病における心筋梗塞後の心筋障害が歯周病原細菌の感染で増悪するかとそのメカニズムについて検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
動物サンプルの準備が当初の予定よりも遅れているため。次年度動物サンプルを追加し、解析を進めていく。
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Research Products
(7 results)