2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel medical device for periodontal tissue regeneration using newly amelogenin binding protein Grp78
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17K17354
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
豊田 敬介 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70757947)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アメロジェニン / Grp78 / Polaprezinc / Teprenone |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は歯周病細菌の感染により惹起され、慢性炎症を引き起こすことで歯周組織が破壊される疾患であり、重度歯周炎における歯槽骨欠損、とりわけ水平的歯槽骨欠損を再生させることは未だ困難である。近年、破壊された歯周組織の再生に一定の成果を上げているタンパク質がエナメル基質タンパク質(enamel matrix derivative:EMD)である。そのEMDの90%以上を占めるアメロジェニンは、細胞外基質蛋白(EMD)の一種であり、EMDによる歯周組織再生の中心的な分子である。申請者らはこれまでにアメロジェニンとアメロジェニン会合分子Grp78の会合が歯根膜細胞の細胞遊走を促進すること報告している。本研究の目的はアメロジェニンとGrp78の相互作用のメカニズムを解明すると共に、その相互作用により活性化するポイントを解析することで歯周組織再生機序の分子基盤の確立し、安全性の高い分子標的再生療法を開発することである。 現在までに以下のことを明らかにした。 歯根膜幹細胞において、Grp78誘導剤であるTeprenoneを使用し12-24時間刺激することにより、細胞内のGrp78のタンパク発現が有意に亢進することwestern blottingを用いて確認した。 初代培養歯根膜細胞において、Grp78誘導剤であるPolaprezincを使用し、12-24時間刺激により、細胞内のGrp78のタンパク発現が有意に亢進することをwestern blottingを用いて確認した。 初代培養細胞において、Polaprezinc刺激により細胞増殖、細胞遊走(wound healing assay)が有意に促進することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験がやや遅れているが、初代培養歯根膜細胞においてGrp78誘導剤の作用が判明しつつあるため、上記区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
Grp78の発現亢進は歯根膜細胞の細胞増殖、細胞遊走にかかわる可能性がある事から、新規の歯周組織再生療法の開発に対して一助を担う可能性がある。すでに、これまでの研究において歯根膜細胞の細胞増殖、遊走を促進することが分かっているため、Grp78誘導剤であるPolaprezinc刺激単独でもシグナル伝達分子の機序を解明する必要がある。今後はさらに動物実験においてマウス歯牙の結紮により炎症を誘発させた歯周炎モデルマウスを使用して、免疫化学組織学的評価、欠損作成部位でのGrp78 組織内発現量の確認、歯槽骨の再生評価:マイクロCT撮影を行う必要がある。
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Causes of Carryover |
本年度は細胞培養実験が中心で、経費のかかる動物実験がやや遅れている。動物実験の研究を次年度中心に行うため、これを次年度に繰り越した。
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Research Products
(2 results)