2017 Fiscal Year Research-status Report
歯肉上皮のバリア機構におけるセリンプロテアーゼインヒビターの機能解析
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17K17358
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
三森 香織 昭和大学, 歯学部, 助教 (00453647)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | セリンプロテアーゼインヒビター / 歯肉上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病の初発病変は、歯周病原細菌と最初に遭遇する接合上皮において認められる。侵入した細菌に対して好中球等が遊走し、抗菌タンパク等を分泌する。Secretory Leukocyte Protease Inhibitor(SLPI)は、好中球から分泌される酵素NE(Neutrophil Elastase)の活性を阻害する機能をもつセリンプロテアーゼインヒビターの一つである。SLPIは創傷治癒の促進、抗菌活性、過度な炎症反応の抑制等多彩な機能をもつことが報告されているが、歯周病病態における接合上皮のバリア機構でのSLPIの詳細なメカニズムについては十分に解明されていない。 そこで、今年度は、培養歯肉上皮細胞におけるSLPIの発現様式を検討した。ヒト歯肉上皮細胞株(Ca9-22 celll)を用いてLPS刺激時におけるSLPIのタンパク発現を解析した。その結果、LPS刺激によって非刺激時と比較して、SLPIの発現は増加傾向を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト歯肉上皮細胞株を用いて人為的にSLPIの発現を変化させた時の細胞機能を検討したが、予定外ではあるが、最適な条件設定に困難を伴い予備実験の段階にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画よりやや遅れているが、細胞培養の各種条件を見直し、ヒト歯肉上皮細胞株を用いて人為的にSLPIの発現を変化させた時の細胞機能や歯周病の病態において認められる炎症性サイトカインとSLPIとの関連を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度の研究に本年度の研究計画を一部移行させるために、本年度の繰越分は次年度培養関連試薬の費用に充て、適切に使用する予定である。
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