2018 Fiscal Year Research-status Report
歯胚再生技術を用いたGFP陽性接合上皮細胞における機能的転写因子の同定
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17K17359
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
氷室 沙羅 昭和大学, 歯学部, 助教 (90736513)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 接合上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に照らし合わせ、H29,30年度に実施した実績は、下記の通りである。 29年度:GFP陽性歯原性上皮・野生型C57BL/6マウスの間葉組織の再構成歯胚を作製し、予め野生型マウスの上顎第一第臼歯を抜歯し、治癒を確認後、作製した歯胚を埋入した。移植後50日前後で、萌出完了した再構成歯近傍の接合上皮と口腔上皮を回収した。回収した組織を酵素処理し、皮細胞を分散化し、フローサイトメトリーを用いて、接合上皮をGFP陽性分画として採取、また、GFP陰性分画として口腔上皮を採取した。RNAシークエンスを用いて、GFP陽性接合上皮細胞とGFP陰性の口腔粘膜上皮細胞の遺伝子発現を比較検討したところ、GFP陽性接合上皮細胞でOdam、Icam1、Krt17が、GFP陰性の口腔粘膜上皮細胞と比較して高頻度で発現していた。さらに、回収したGFP陽性接合上皮細胞にレンチウイルスを用いてSV40 large T 抗原を導入し、GFP陽性接合上皮不死化細胞株を樹立し、Limiting diluetionを用いてsingle cell cloneを作製した。樹立したGFP陽性接合上皮不死化細胞、再構成歯胚から回収した接合上皮細胞、口腔上皮細胞を用い、RT-PCRを実施した。樹立したGFP陽性接合上皮不死化細胞、再構成歯胚から回収した接合上皮細胞では、歯原性上皮に発現すると言われ、過去に天然の接合上皮でも発現が確認されているKrt19の発現が認められ、一方で口腔上皮細胞では発現が確認出来なかった。以上より、GFP陽性不死化接合上皮細胞株では、接合上皮のcharacterが保持されていると推察する。 30年度:6月1日より産休に入ったため、移植マウス及び細胞株の維持、一部のPCR解析のみ実施した。 平成31年度は、昨年計画通りに遂行出来なかったGFP陽性接合上皮不死化細胞株の機能解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の産前産後休暇及び育児休暇のため、本来、平成30年度に行う予定であったGFP陽性接合上皮不死化細胞株の機能解析が実施出来ず、移植マウス及び細胞株の維持、一部のPCR解析のみ実施した。 本年度はGFP陽性接合上皮不死化細胞株の機能解析を中心に実験を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、接合上皮株を用いた機能解析を実施する予定である。 ① 組織再構築能の検討 3D再構成培養法を用いて、重層化、つまりは組織再構築能があるかを確認する。 ② 機能的転写因子の同定と物質透過能の検討 接合上皮特異的に上がっている転写因子(A)を抽出する。樹立された接合上皮細胞株にsiRNAを用いて(A)の発現抑制を行う。Endohmを用いて(A)を抑制した 接合上皮細胞と、(A)を抑制していない接合上皮細胞で、物質透過性を電気抵抗値を用いて解析する。
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Causes of Carryover |
産休・育休取得で、一時、研究を中断したため。 本年度に実施するGFP陽性接合上皮不死化細胞株の機能解析に必要な消耗品購入に使用する。
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