2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of periodontal disease on disease progression of non-alcoholic steatohepatitis
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17K17371
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
丸山 貴之 岡山大学, 大学病院, 助教 (30580253)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯周病 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / microRNA / 動物実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
全身疾患と歯周病の関係について注目されている。非アルコール性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis: NASH)は歯周病のリスク要因となりうるが、NASHが歯周病の病態進行に及ぼすメカニズムについては不明な点が多い。一方、血液中のmicroRNAは、全身疾患と歯周病のコミュニケーション媒体となる。本研究の目的は、NASHによる歯周組織への影響について、血液中のmicroRNAと歯周組織における遺伝子発現とのペアリング解析によって明らかにすることである。 昨年度は、ラットに8週間高脂肪食を与えてNASHを発症させ、その後、血液、肝臓、歯周組織を採取した。肝臓、歯周組織については、組織標本を作製し、病理学的変化を観察した。その結果、高脂肪食を与えたラットの肝臓は、標準食群と比較して、肝細胞の空胞変性を認めた。一方、歯周組織については、著明な形態学的な変化は認められなかった。 今年度は、両群における血液中のmicroRNAと歯周組織の遺伝子発現について、マイクロアレイにて網羅的に解析し、リアルタイムPCR法にて、2群間の発現の違いを検討した。その結果、8個のmicroRNAおよび23個の遺伝子に有意な発現の違いを認めた。続いて、血液中のmicroRNA発現と歯周組織の遺伝子発現とのペアリング解析を行った。その結果、NASHに伴いup-regulationされたrno-miR-759、rno-miR-9a-3p、rno-miR-203b-3pに関連する複数の遺伝子、およびNASHに伴いdown-regulationされたrno-miR-878に関連する複数の遺伝子を特定した。 以上のことから、NASHにより血液中のmicroRNAを介して、歯周組織における遺伝子発現が調節されることが明らかとなった。
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