2021 Fiscal Year Research-status Report
メタゲノム解析を用いた口腔細菌における内頸動脈狭窄症に対する病原性の追求
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17K17381
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮久保 あや子 昭和大学, 歯学部, 助教 (50643706)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタゲノム解析 / 口腔内細菌 / 内頸動脈狭窄症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、内頸動脈狭窄症と口腔内細菌叢との関連性を解明し、特異的口腔内細菌に対した効果的な周術期口腔機能管理のプロトコールを確立することを目的とする。 口腔内プラークと内頸動脈狭窄症の内膜に付着したプラーク及び血栓(アテローム性プラーク)のサンプル計54例からDNA抽出を行い、全ての細菌が持つとされている16SrRNA領域プライマーを設計し、PCR(V4領域の増幅)を行い、PCR産物を電気泳動し増幅物の有無を確認した。PCR産物陽性の検体は、何らかの細菌が存在する可能性が高く、追加で9例の検体の次世代シークエンスを行い、菌種の同定を行った。 結果、54例中5例の頸動脈プラークから菌の存在を認めた。頸動脈プラークから検出された菌の86.5%が口腔内プラークからも同様に検出された。また、頸動脈プラーク中の細菌はう蝕原因菌が27.7%、歯周病関連菌が4.7%認め、口腔常在菌が何らかの関係があることを示唆できた。以上の内容について学会発表・論文作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナの影響で就業停止期間が年に数回あった。
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Strategy for Future Research Activity |
内頸動脈狭窄症内膜から口腔常在菌を多数認めた。しかし、この細菌がどのように関与しているは、本研究では解明できていない。検体数を増やすことで口腔常在菌と内頸動脈狭窄症との関連性の信頼性は得られる可能性があるが、細菌の働きまでは解明できない。細菌の基礎研究を進め、多く検出される細菌の特性を解明する必要がある。
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Causes of Carryover |
学会発表、論文投稿にむけて研究を行っているが、新型コロナウイルスの影響で学会においてはオンデマンドでの参加が続いているため旅費などが発生しなかった。今後、学会発表・英語論文作成に使用する予定です。
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