2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of time since death estimation method using teeth in a body immersed in water
Project/Area Number |
17K17383
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
石川 昂 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10772288)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 法歯学 / 身元不明死体 / 死後経過時間 / 水中死体 / 海水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、死後経過時間の推定が困難な水中死体を対象にした 死後経過時間の新たな推定法の開発を目的とする。具体的には、ヒトの歯を用い海水中に浸漬し、経時的な付着物あるいは付着量の変化を走査型電子顕微鏡(SEM) で観察し、さらに電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用い定性・定量分析及び歯髄酵素活性の変化の測定を行った。最終的にはこれらの実験結果を詳細に検討し、水中死体に見られる歯の硬組織の変化の特徴を 把握し、死後経過時間(水中浸漬時間)の推定法の実務応用を目指した。歯髄酵素活性については、抽出は行えたものの環境(気温や水温等が影響か)により、各種酵素の活性値が安定せず、研究期間内に死後経過時間の推定に応用することが困難であった。しかし、経過時間に伴う歯の表面への付着物の定量測定では明らかな差が認められ、当初の予定通り研究を遂行することができ、水中死体に対する死後経過時間の推定式を算出することができた。電子顕微鏡像では、付着物の明らかな増加を確認することが視覚的にわかったが、それのみでの死後経過時間の推定は困難であることがわかった。水質の違い(海水・河川水・湖水)を検討したところ、含有成分の違いから大きく海水と淡水に分類することで、それぞれの算定式を算出する必要があることが示唆された。本研究での回帰式は海水に焦点を絞り、データの収集を行った。海水域を対象とした身元不明死体の回帰式の算出は実現したが、今後は同様の手法を用い、淡水域での回帰式の算出が必要であると考える。
|
Research Products
(1 results)