2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢知的障害者の口腔保健の実態把握と口腔衛生介入による発熱・肺炎抑制効果の検証
Project/Area Number |
17K17389
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
野々山 順也 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00760406)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 知的障害 / 口腔 / 高齢化 |
Outline of Annual Research Achievements |
知的障害者が高齢化すると、既存の知的障害や先天性疾患と併せて口腔機能の低下、摂食嚥下障害、低栄養など口腔に関連する問題の発生が予測される。しかし、高齢化した知的障害者の調査・研究は十分には行われておらず、福祉サービスと医療支援の両面で対応が遅れているため継続した研究が必要である。 令和2年度に知的障害者施設への実態調査を予定していたが、新型コロナウイルスの全国的な蔓英のため施設長より調査の実施許可がおりなかったため、同年度に実施していたアンケートの分析を行った。 40歳以上の知的障害者を対象とし、アンケートで回答を得た歯の本数を目的変数、年齢、性別、BMI、障害の重症度、障害の種類、日中の生活場所、かかりつけ歯科医の有無、歯科受診状況、歯科医院への定期管理、口腔のケア時間、歯磨き回数、主な歯磨き者、主な通院補助者等を説明変数とした重回帰分析を行った。 その結果、40歳以上の知的障害者の歯の本数は年齢が上がる、歯科医院へ定期管理に行かない、口腔のケアにかける時間が短いほど有意に減少した。そのため、知的障害者の歯の本数を減少させる原因と考えられる齲蝕や歯周病等の歯科疾患を予防するためには、歯科医院にただ受診するのではなく、歯科医院で定期的に口腔管理してもらうことや口腔のケア回数をただ増やすのではなく口腔のケアにかける時間をふやすことが重要な因子であることが示唆された。 中年期から高齢期を対象とした知的障害者の口腔に関する論文は未だほとんど発表がないため、この結果を英語論文にまとめ令和3年度中に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの全国的な蔓英のため実態調査が行えないため少し遅れている状況である。ただ令和3年度中には実態調査を行い早急に研究結果をまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスが落ち着き調査が可能になれば早急に実態調査を実施予定である。また、中年期から高齢期を対象とした知的障害者の口腔に関する論文は未だほとんど発表がないため、この結果を英語論文にまとめ令和3年度中に投稿予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルの蔓英のため調査が出来なかったため。 令和3年度は、新型コロナウイルスの状況が落ち着けば施設への実態調査を行う予定にしている。そのため、調査に必要な機材や人件費を計上予定である。また、コロナが落ち着かない場合は、アンケート調査を再度実施する。そのために必要なipadも必要に応じて計上予定である。さらに、今回の調査に関する論文の校正や投稿費用について計上予定である。
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