2018 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能の回復と認知機能の関連性の検討―軽度認知障害高齢者を対象とした検討―
Project/Area Number |
17K17390
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水谷 慎介 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (90643312)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 軽度認知障害 / 口腔機能 / 高齢者 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)は認知症の前段階とされており、これを放置すると認知機能低下が続き、5年間で約50%の人が認知症に移行する危険性があるとされている。一方で、認知機能を重点的に使って機能の改善や維持を図ることで、MCI高齢者の30~40%は健常な状態へと回復する可能性が高いことも報告されている。本研究では、MCI高齢者における口腔内状況および口腔機能(咀嚼機能、嚥下機能等)を評価項目とし、口腔機能の回復が認知症発症の予防につながるかどうかを検討することを目的とした。 具体的には、歯科外来を受診した高齢者を対象に、MCIバイオマーカー(ApoA1、トランスサイレチン、非活性型C3)の測定、口腔機能評価(舌圧、咀嚼能力、嚥下機能評価)、口腔内の状態調査(現在歯数、う蝕の有無、歯周病の状態、咬合支持域)、質問紙による認知機能のスクリーニング検査等を実施した。本研究はコホート研究であるが、2年間にデータが得られた対象者を対象に分析を行った。 分析対象者58名のうち、MoCA-Jによるスクリーニング検査では、18名(37%)がMCI陽性であった。MCI陽性と関連があった口腔機能は低舌圧および咀嚼能率であった。多重回帰分析の結果、年齢と低舌圧は認知機能低下と関連があった。口腔機能を維持することで、MCIの発症を予防できる可能性が示唆された。なお、MCIバイオマーカーのうち、ApoA1と関連がみられた項目は、現在歯数であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベースライン時のデータは取得済みであり、現在分析中である。また追跡調査も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29、30年度にリクルートされた患者の追跡調査を行う。また、ベースライン時のデータを追加分析し、MCIバイオマーカーと口腔機能との関連を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
ベースライン時の目標症例数に達しなかったため、検査等の費用が当初よりも少なくなった。繰り越した金額については、検査費用および成果発表に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)