2019 Fiscal Year Research-status Report
講義から臨地実習への橋渡しを可能にする新しい授業評価尺度の開発
Project/Area Number |
17K17399
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大達 亮 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10760796)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 看護教育 / 精神看護 / theory-practice gap / 授業デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
学生へのインタビューデータを修正版グラウンデッド・セオリーを用いて分析した結果として、講義から実習へのつながりが明確になりつつある。 インタビューでは、精神看護においては講義から実習に至る学習経験に分断がみられる場合とそうでない場合に大別された。この要因はどのような点にあるのか検討を行った。ひとつの要因として精神看護という学問体系と学生個人の生活体験との接続が重要であると現時点では考えられた。またインタビューの分析結果から臨地実習においては学生共通のアウトカムとしてコミュニケーションが機能していると考えられた。コミュニケーションにおいて学生は臨地実習において再定義化を行っていたが、2つのパターンが存在していた。ひとつは対象となる精神疾患をもつ人たちとのコミュニケーションが"普通"であるという察知から日常的なコミュニケーションをその対象者に適応可能と再定義化するパターンであった。一方で精神看護実習におけるコミュニケーションは非日常的であるという察知からコミュニケーション技術を用いて新しいコミュニケーションパターンを試行錯誤するという再定義化も存在した。 一方でコミュニケーション以外の臨地実習における評価軸を学生自身が獲得できるかということが、実習意義を感じ取る上で重要であることも示唆された。実習終了後、新しい学生自身の"常識"の拡張があることによって、学習の成果と今後の学習へのモチベーションが生じやすいと推察される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー結果の分析は終了しつつあり、令和2年度はこの分析を精緻化していくことにより授業デザイン等の提案が可能になると考えるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
インタビューの分析結果について論文化を進めていく。同時に分析結果を用いてどのように精神看護学の授業をデザインするかという方略を検討していく予定である。
|
Causes of Carryover |
令和2年度予定している論文作成に伴う経費の確保のため
|