2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a self-management program based on the analysis of the preparedness of diabetic patients in disaster
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17K17400
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大山 祐介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (40789567)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病療養者 / 災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は平時には病状が安定していても,災害時には悪化して急性の代謝失調を招くことがあり,糖尿病患者は災害時要配慮者といえる.そのため,糖尿病療養者が避難生活において,どのような自己管理上の困難に直面しているのか明らかにすることは重要である.特に1型糖尿病療養者はインスリンが不足すると,糖質を源とする生命に必要なエネルギーの供給が行われず,生命を維持できなくなるため,インスリン治療が必須である.そして,1日でもインスリン治療を怠ると糖尿病性ケトアシドーシスなどの代謝障害をまねき,食事の摂取量や運動量に不相応に過量のインスリン注射を行うと重症低血糖を起こすと言われている. 1型糖尿病療養者は被災することによって,急速な環境の変化に対応するなかで,混乱が生じ脆弱性が増す可能性がある.そのような状況の変化に対応するためには,災害後の生活状況を踏まえて平時より備えておく必要がある. 以上より,1型糖尿病療養者が災害の備えに対する考え,感情,行動を明らかにすることを目的に調査を行った.研究計画当初は被災経験のある糖尿病療養者を対象に量的調査を行う予定にしていたが,心理的側面に配慮したことや対象者を確保することが困難と考えられた.そのため,これまでに発生した災害と糖尿病療養者に関する文献レビューを行い,その結果をもとに平時における1型糖尿病療養者の災害の備えについてインタビュー調査を行った.研究参加者は10人で女性 8人,男性2人であった.分析の結果,災害の備えに対する考え,感情,行動を示すコードから19個のサブカテゴリーを抽出し,《災害は他人事で情報を得る機会が少ない》,《適切なことがわからないので災害に備える行動につながらない》,《被災時でもインスリンと食べ物があれば大丈夫と思う》,そして《災害時であっても糖尿病であることを関係ない人には言わないと思う》の4個のカテゴリーが見出された.
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Research Products
(1 results)