2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K17409
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
倉本 直樹 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (00781816)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 末梢静脈留置カテーテル / 輸液管理 / 血管確保 / 血管選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、静脈炎や血管外漏出など末梢静脈留置カテーテル(Peripheral Venous Catheter:以下PVC)の合併症を予防するために、看護師が関与する輸液管理の技術的課題との関連を明らかにすることある。血管外漏出は、漏出部位の組織を壊死させるため侵襲性が非常に高い。初年度である平成29年度は、血管外漏出に関する事例分析を行うため、判例データベースを用いて訴訟事例の検索を行った。しかし、訴訟事例として閲覧できる記録では適切な文献が該当せず、十分に分析を行うことができなかった。そのため、血管外漏出に関する医療事故報告に関して文献検討、情報収集を行なった。看護師が関与する輸液管理の技術的課題として、血管選択を抽出した。さらに、看護師の血管選択を支援する方法として、非接触型静脈可視化装置の活用に注目した。血管選択における視診は、PVCを挿入できる血管を判断するために重要な技術である。血管を視診できない場合、PVCの挿入に適切かどうかの判断は難しい。2年目である平成30年度は、看護師の血管選択を支援する方法として、非接触型静脈可視化装置の活用について検討を開始した。非接触型静脈可視化装置の準備と研究への適応性について、複数の総合病院の看護師に協力を依頼し、評価を行なった。通常では目視できない血管であっても血管の存在を確認する事ができたが、患者の状態によっては過大に血管が描出されるケースなども見られた。看護師との意見交換の結果、血管が目視しにくい血管選定において有効である可能性が示唆された。従来の視診や触診に加え、非接触型静脈可視化装置を併用することで、より確実な血管選定につながる事が示唆された。今後は、非接触型静脈可視化装置による血管選定への効果の検証を臨床現場の協力を得て行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非接触型静脈可視化装置の効果検証を行うため、臨床現場への協力を計画しているが、調査を行うのに十分な数の施設の協力を得ることが出来ていないため、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現状に加え、調査協力依頼を行う施設を増やし、対応していく。
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Causes of Carryover |
調査を開始することが出来ていないため、前年度の予算を、今年度行う調査に使用する。主に、研究協力者への謝礼やデータ整理の人件費として活用し、研究を遂行させる。また、国内の専門家との意見交換などに活用する予定である。
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