2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on technical problems of infusion management performed by nursing
Project/Area Number |
17K17409
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
倉本 直樹 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (00781816)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 輸液 / 静脈穿刺 / 血管確保 / 血管怒張 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、静脈炎や血管外漏出など末梢静脈留置カテーテル(Peripheral Venous Catheter:以下PVC)の合併症を予防するために、看護師が関与する輸液管理の技術的課題との関連を明らかにすることある。繰り返される穿刺は、穿刺部位が限定され、臨床の看護師は困難な場面に直面していると考えられた。 2年目である平成30年度は、看護師の血管選択を支援する方法として、非接触型静脈可視化装置の活用について検討を開始した。看護師との意見交換の結果、血管が目視しにくい血管選定において有効である可能性が示唆された。そのため、看護師の主観でPVC留置が困難であると判断された事例について焦点を当てることが必要であると考えた。 3年目である令和元年度は、非接触型静脈可視化装置の有無が看護師の血管選定に与える影響の検討を、臨床現場で行なった。PVC留置の事例について、非接触型静脈可視化装置の有無、PVCを留置した血管の性状、PVC留置の難易度、PVCの留置部位について収集した。分析対象となったPVC留置の事例は50件(患者の重複あり)であった。非接触型静脈可視化装置の使用は有24件(48%)、無26件(52%)であった。PVC留置の難易度は簡単(0)~難しい(10)の難易度(10段階)で調査した。非接触型静脈可視化装置の使用有り(n=24)、使用無し(n=26)であった。使用有り(n=24)で難易度が高かったのは、「太さ」9.29(SD±1.654)、「可視性」9.29(SD±1.301)であった。使用無し(n=26)で難易度が高かったのは「走行」7.46(SD±2.284)であった。これらの結果から、看護師は、非接触型静脈可視化装置の使用を「血管走行」で判断していること、さらに装置を使用したとしてもPVC留置の難易度は変化しないことが考えられた。
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