2022 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study on the Effectiveness of Lower Extremity Massage Using Anma Technique to Improve Low Back Pain in Nurses
Project/Area Number |
17K17410
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
関 恵子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (40760393)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護師 / 看護学生 / 腰痛 / 筋疲労 / 腰痛緩和 / マッサージ / あん摩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腰部の血行改善に必要不可欠な下肢の筋ポンプ作用による静脈還流促進が期待できる“筋肉を揉みほぐす”あん摩手技を用いた下肢マッサージ方法を考案し、看護師の腰痛改善を目ざした。 <本研究成果> 第一段階の研究においては、夜間勤務における看護従事者26名を対象に腰痛実態を調査した。腰部負担・腰痛が起こりやすい業務としては、おむつ交換・体位変換・車いす移乗・トイレ介助・シーツ交換が挙げられ、夜間は勤務者の人数が限られるため単独で実施する援助が多かった。体組成計で計測した下肢の筋質点数は、腰痛・腰部負担度が上昇する勤務後に有意な低下が認められた。腰痛有訴率は100%であった。腰部負担計測器を用いた勤務中の前傾姿勢角度計測では、夜間勤務姿勢の平均角度16.01±6.53°、腰部負担のかかりやすい40~60°前傾回数は5992.3±3277.9回であった。前傾回数・姿勢と腰痛の関連は確認できなかったが,経験年数との負の相関が認められた。また、勤務前後の腰部脊柱起立筋の血行不良状態を確認したが、勤務前後での変化は認めなかった。勤務直後に計測は実施していたが、勤務終了後に看護記録や申し送り業務での座位時間が長く、その影響が要因となっていることが考えられる。 第2段階ではあん摩手技を組み入れた下肢マッサージを考案し、健康成人を対象に効果検証した。その結果、マッサージ前と比較し、20分間の両下肢へのマッサージが腰部脊柱起立筋の組織酸素飽和度を上昇と血行促進効果が認められ、筋肉の血行促進効果を持つあん摩手技の効果による疲労物質の蓄積を予防する可能性が示唆された。 第2段階の結果を踏まえ、第3段階では実際の臨床現場での看護師を対象したあん摩手技を組み入れた下肢マッサージの腰痛緩和効果の検証を実施した。その結果、腰部脊柱起立筋の血行促進効果と終業後に増強する腰痛・腰部負担症状の改善が認められた。
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