2020 Fiscal Year Research-status Report
看護師の道徳的発達段階と看護実践における倫理的課題の認識との関連
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17K17416
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Research Institution | Sapporo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
園田 典子 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (60714384)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度計画にあった「DIT日本版ー青年期における道徳判断の発達測定のための質問紙」、および「日々の看護実践において認識している倫理的課題とその対応について問う自作の質問紙」から得られた結果についてデータ分析を行った。 その結果、TotalD得点と性別や倫理に係る研修受講の有無など、道徳的発達に影響を与えていると考えられた他因子との関連について明らかな相関は認められなかった。また、看護倫理に関わる研修について、院内で業務の一環として行われる看護倫理研修への参加は61.5%が「あり」と回答していたが、院外研修は0%、学会への参加は1.92%であった。看護倫理への関心の有無を直接示すものではないが、看護倫理について学習する機会が十分とは言えない状況が明らかになった。 研究協力者のなかで自身の道徳的発達段階の結果(TotalD得点)を希望するものについて、令和2年4月に資料郵送を行った。 自作の質問紙で得られた回答については、倫理的観点①質問紙に含まれる倫理的な事例の捉え方②矛盾や価値の対立を調整するためにどのような思考・判断を行っているか、に基づき分析を行っている。本研究者が「臨床看護師の看護実践と道徳的発達との関連」(2012)で明らかにした、臨床看護師の倫理的課題の含まれる問題の捉え方「看護師の立場からの判断」「患者の立場への思慮」について、本研究でも同様の傾向を示している。 今後は、分析結果についてスーパーバイズを受けて分析内容を深め、最終的に論文としてまとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の拡大により大学の授業が遠隔対応に変更となった。そのため授業準備や学生対応など教育に係る業務が増大し、研究計画が大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度内で分析を行い論文にまとめていく。学会の参加については大学業務の見通しが立っていないため状況に応じて検討していく。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、大学内業務(遠隔授業、学生対応など)が増加し1年研究を延長することとなった。研究計画も大幅に遅れており、使用予定の消耗品購入や学会参加を見合わせたため次年度使用額が生じている。
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