2018 Fiscal Year Research-status Report
看護職の加齢に伴う業務遂行困難性を乗り越える工夫を活かしたマネジメントの探索
Project/Area Number |
17K17421
|
Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
嶋澤 奈津子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 助教 (70434438)
|
Project Period (FY) |
2018-02-28 – 2020-03-31
|
Keywords | 看護師の高年齢化 / マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、病院に就労する年齢を重ねた看護職が老化による影響で業務遂行が困難な状況をどのような工夫をしながら乗り越えているのか明らかにし、個人の自助努力で行われているその工夫を組織全体のマネジメントに反映させるための示唆を得ることである。 初年度は、病院を就労場所とする看護師に焦点をあてた文献検討と年齢を重ねるにつれ困難となる看護業務の再分析、および年齢を重ねた看護師へのヒアリングを行った。文献検討では、いわゆる中高年看護師は年齢的な衰えを自覚しつつ体調管理の重要性を認識していることが分かった。仕事への困難を感じながらもどのような工夫をしながら乗り越えているのか新たな知見を得られず、本研究において深く取り組む必要性が改めて明らかになった。病院で就労する看護職が年齢を重ねるにつれ困難となる看護業務についての再分析では、心身機能低下という老化現象により疲労の回復困難、看護技術の発揮困難、人間関係における課題への取り組み困難、ワークライフバランスの維持困難、職務継続に関する確信の維持困難等の様々な困難を抱えながら役割を遂行していることが分かった。本研究の対象となるような看護職を支えるためのマネジメントのあり方として、多様な困難が背景にあることを捉えながら検討する必要性が示された。また、ヒアリングでは再分析の結果を支持するような現状があることが分かった。 現在、得られた知見をもとに作成したインタビューガイドを踏まえ、倫理審査委員会へ申請中である。研究協力機関のリクルートについては、機縁法にて抽出した病院にて研究協力の事前了承を得ている。加えて看護管理分野研究者からの研究協力機関の推薦が得られたことにより本研究対象者を充分確保でき、データを充実させていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究の再分析の整理に時間を要し、また得られた知見を新たに加えたインタビューガイドの作成が滞ったことが理由にある。研究協力機関の確保はできているため、データ収集および分析を進め、看護管理分野の研究者によるスーパーバイズを得ることで信用性の度合いを高め、論文作成を進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ベッドサイドで看護実践を提供している年齢を重ねた看護師にインタビューを実施し、加齢によって感じる業務における困難をどのようにして乗り越えているのかその工夫点についてデータを取得する。内諾が得られている研究協力機関との具体的なスケジュール調整を綿密に行い、速やかにデータ収集および分析を進め、年齢を重ねた看護職がいきいきと働くことができるようなマネジメントのあり方を検討する。
|
Causes of Carryover |
調査計画に最新の知見を組み込むために、先行研究のデータを再分析したこと、研究倫理委員会の承認までに時間を要したことにより、データ収集開始までに時間を要した。このため、当該年度実施予定であったデータ収集を次年度に実施することとした。よって、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、次年度以降に実施するデータ収集に関する費用および論文作成のために用いる。
|