2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of an index of autonomic nervous system activity during conservative management in patients with acute Type B aortic dissection.
Project/Area Number |
17K17431
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 康之輔 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50755642)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 急性大動脈解離 / 自律神経活動 / 心拍変動 / 血圧変動 / 安静降圧療法 / 心臓血管外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
安静降圧療法が必要なStandord B型急性大動脈解離患者において、急性炎症反応や疼痛の惹起により、自律神経活動のバランスは乱れ、血圧管理に影響をおよぼすと推測されるが、大動脈解離発症後の自律神経活動の変化はこれまで解明されていない現状であった。したがって、本研究の目的は、安静降圧療法管理となるStandord B型急性大動脈解離患者を対象に、自律神経活動の変化を経時的観点から明らかにすることである。対象とする疾患の特色から、入院時の状態により、インフォームドコンセントの実施が困難な場合を想定し、オプトアウトおよび状態安定後にインフォームドコンセントを行う方針で研究を実施した。安静降圧療法となるB型急性大動脈解離症例は、保存的加療(内科的治療)のみの場合と、ステントグラフト挿入術後に同療法が適応される場合があり、本研究では前者のケースで検討することとした。研究開始初年度から2020年度末までに、目標症例数である20例の登録を2施設で達成できている。しかし、コロナウィルスのパンデミックにより、各施設での外来診察も影響を受け、退院後のデータ収集は困難となってしまった。そのため、入院中のデータを主として解析を進める方針とした。2施設で登録した安静降圧療法管理のB型急性大動脈解離患者のCT画像評価は、心臓血管外科医または放射線科医の協力を得て実施した。自律神経活動の入院後の経時的変化において、集中治療部滞在中と集中治療部退室後の病棟滞在中の間で、日内変動も含めて差異が認められた。これらと血圧変動との間に、顕著な特徴がない可能性が示唆された。なお、本研究遂行時に直接関連した有害事象は認められず、安全にデータ収集を行うことができたとともに、急性大動脈解離疾患でのデータ取得方法に関して、新たな可能性を示すことが出来た。
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