2018 Fiscal Year Research-status Report
歩容評価システムの開発とせん断応力圧力比を考慮した胼胝予防介入効果の検証
Project/Area Number |
17K17435
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
雨宮 歩 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (90778507)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病性足潰瘍予防 / 胼胝予防 / フットウェア / せん断応力 / 圧力 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性足潰瘍は、その前段階で多くの場合胼胝(べんち;タコ)を形成するため、胼胝形成を予防することが足潰瘍発症予防に効果的であると考えられる。今までに明らかにしてきた胼胝形成要因であるせん断応力圧力比(SPR: Shear stress Pressure Ratio)と胼胝形成のカットオフ値、胼胝形成に関わる歩行中の下肢の動きと靴の要因より、本研究は糖尿病神経障害患者においてSPRを考慮した胼胝形成予防介入効果を検証することを目的としている。 平成30年度は、臨床で患者に対し介入をおこなう前段階として、健常者における介入効果に関する結果の公表を行った。また、今まで主に検討していたのはフットウェアによる介入だったが、今年度は、外力と密接な関係があると言われている歩行速度にも焦点を当て、調査を行った。歩行速度を変化させることで外力を軽減させることができれば、フットウェアによる介入より看護師が指導しやすく、安価で簡便なため、患者に受け入れられやすい可能性が考えられるためである。 健常者55名を被験者とし、40、60、80、110、140、160step/minの6種類の歩調で15m歩行し、胼胝・潰瘍の好発部位である第1・2・5中足骨頭部にかかる外力を計測した。圧力とせん断応力、SPRについて、一歩ごとの最大値と時間積分値を算出した。歩行速度ごとに群分けし、反復測定分散分析を用いて比較を行った。 その結果、圧力とせん断応力では歩行速度が速くなるにつれて最大値は大きくなり、時間積分値は小さくなった。しかし、胼胝形成と関連があるSPRは歩行速度による有意差はみられなかった。よって、胼胝形成予防にはフットウェアなど歩行速度以外の方法が必要であることが明らかになった。 これらの結果をふまえ、臨床調査の調整を行い、糖尿病神経障害患者を対象としたフットウェアによる介入のRCTを開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた以上に健常者での調査を実施し、結果が得られている。その結果を踏まえ、本研究の最終段階であるRCTを開始することができているため、予定通り順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は引き続き、臨床で糖尿病神経障害を持つ患者に対するRCTを継続し、結果をまとめ、公表する予定である。
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Causes of Carryover |
臨床調査の調整に難航し、調査を開始できていなかったため。しかし、現在、調査を開始している。調査予定人数に変更はないため、翌年分と合わせて、臨床調査の物品費・謝品・調査補助人件費として使用する予定である。
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