2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢がん患者がもつ「痛みを伝える力」の解明-潜在能力を活かした疼痛ケア
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17K17447
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
櫻庭 奈美 東邦大学, 看護学部, 非常勤研究生 (90709213)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がん疼痛 / 認知症 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、認知症がん高齢者の疼痛マネジメントの質を向上させることを目的としている。これまで、認知症がん高齢者に対する看護実践モデルを作成し、看護実践モデルの実施可能性、妥当性について検証を進めた。実施に使用したことで明らかになったプロトコールの課題は、適用患者の条件、モデルを使用する看護師の条件、さらには使用するタイミングの3点があげられた。適用患者の条件は、認知症という診断名を採用する以前に、認知機能の状態を多角的かつ客観的に示すことのできるツールの必要性が示唆された。また、モデルを使用する看護師は、教育歴、年齢、認知症がん高齢者のケア経験など、看護師の個人的要因によってモデルの有用性に違いがあることが示唆されたため、モデルを使用する看護師をどのように条件付けするのか検討が必要である。最後に、使用するタイミングにおいては、いつからどのように使用するか、それをどのように決定するかといった課題が明らかとなった。これらを明らかにするためには、参照しているモデルの原案と比較を行いながら使用条件を詳細に設定し、さらなるデータを蓄積していくことが必要と考えている。 モデルを使用した看護師から得られたインタビューデータを質的に分析し、論文として公開した。今後は、モデルの妥当性、有効性を検証するために量的分析を行ったデータに関して、論文執筆中である。それにより、認知症がん高齢者の疼痛マネジメントにおける看護実践を客観的に評価していくことが可能になると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ分析に時間を要したが、おおむね順調に分析が終わり、執筆、学会発表に向けて進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
学会開催がオンラインで行われることが多くなっているため、発表する学会を選択し、発表形式に合わせた準備を行う必要がある。
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Causes of Carryover |
COVID-19による感染状況が続いており、予定していた学会発表、出張がオンラインとなったため。今後は、論文執筆、研究成果の報告資料作成への支出にあてる。
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