2019 Fiscal Year Research-status Report
食道がん術後合併症予防のための自己学習用教材の開発
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17K17450
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
阿久澤 優佳 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (60768456)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食道がん / 呼吸器合併症 / 術前指導 / 術前訓練 / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から継続して、食道がん患者が、術前に受けた指導をどのように捉えているのか術後に振り返ってもらい、術前指導の実態を明らかにすることを目的とし、インタビュー内容について質的帰納的に分析した。 結果として、担当医師と外来看護師、病棟看護師から、手術日程決定日から手術前日まで断続的に術前指導を受けた研究参加者8名(男性5名、女性3名)を対象とした。実際に受けた術前指導は、器具を使用した呼吸訓練や口腔内の清潔等が挙げられた。この経験に対し、研究参加者より得られた86のコードから、《考える余裕がないから医療者に委ねる》《術後という未知の世界に対して、なにか一部を知ることが出来る》《不安なことや質問したいことを医療者と話す機会が無い》《不親切な説明に憤り、説明方法の改善を望む》《診断直後はショックで記憶に残らない》等の20のサブカテゴリーと、【専門的知識を有する医療者に委ねるしかない】【患者自身が持つ意思や経験から、必要性を汲み取る】【指導の存在自体は否定しないが、充分ではない】【必要性が伝わってこない】の4のカテゴリーが抽出された。 本研究の結果から、医師および看護師が実施している現状の術前指導では、患者には術前訓練の必要性が伝わっておらず、患者側が求めている援助が充分に提供出来ていないことが明らかとなった。 術前の患者は、分からないことが分からない状況の中、【専門的知識を有する医療者に委ねるしかない】と捉えていることから、医学的エビデンスに基づいた正確な術前指導を行う必要がある。また、【指導の存在自体は否定しないが、充分ではない】や、術前訓練の【必要性が伝わってこない】と捉えていることから、必要性の伝わる指導を行うと同時に、術前患者の不安軽減に繋がる術前指導プログラムについて検討する必要があると示唆された。 本研究結果を基に、今年度は自己学習用教材の開発を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在、博士後期課程に進学し、同研究テーマを指導教官よりズーパーバイズを受けながらス勧めている段階である。これにより、研究開始段階と比較して一つ一つの段階に想定以上nの時間を要してしまっているが、教材内容や臨床への適応方法について、より深める事は出来ている。 現在次の段階である教材作成について取り組んでいる段階ではあるが、COVID-19の影響もあり、教材作成について業者と直接面談が実施出来ない状況ではあるものの、web会議システム等を用いながら進めて行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度分析を行った研究結果を基に、自己学習用教材の開発を実施し、プレテストを実施予定である。 現段階では、COVID-19の影響もあり、教材用アプリケーションや開発について、業者と直接面談は実施出来ない状況ではあるものの、web会議システム等を用いながら進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況遅延により、教材開発が遅れている為、今年度使用予定である。
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