2018 Fiscal Year Research-status Report
周術期看護における視線動きの分析結果より患者観察のための教授方法の構築
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17K17452
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
有澤 舞 東京家政大学, 健康科学部, 講師 (50719135)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 周術期 / 視線比較 / 術後観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、昨年度実施した5名の予備調査の分析及び、8名の学生に対して本調査を実施した。 予備調査での視線運動を分析した結果、学生に共通した視線の軌跡は、床頭台からスタートし、そこに観察に必要な物品を置くと、患者の顔に移動した。バイタルサイン測定時は、測定場所と測定物品の間を視点が動き、それ以外の範囲は見ていなかった。また、創部、ドレーン等の術後観察に必要な項目は一通り視線が移動したが、関連性がある軌跡は認められなかった。患者がいる周囲の療養環境や体から少し距離のある心電図モニターには、視線の軌跡は現れなかった。一方、注視に関して、一番多く注視していた場所は、患者の顔であった。学生は、術後の観察項目は理解していたが、項目毎に関連づけて観察しておらず、観察方法も適切な情報が得られるものではなかった。また、次に自身が行おうとしている行動を説明する際に患者の顔を多く注視しており、術直後の意識レベルや疲労、疼痛を考慮し、素早く全身観察を行う事を優先する行動ではなかった。周囲に対する視線の軌跡はなく、患者の身体のみに注目し、療養環境には目が向いていない傾向があることがわかった。 予備調査の結果を踏まえ、アイトラッキング装置のカメラレンズの種類を広角レンズに変更するとともに、小顔の研究協力者に対応するため小メガネを購入し、本調査を実施した。 本調査は予備調査と同様の実験環境を整え、アイトラッキング装置を装着し自由に術後観察を実施してもらい、その後インタビューを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度中に学生及び看護師の本調査を終了する予定であったが、看護師の研究力者が集まらなかったため、一時的に研究が滞っていた。しかし、その後看護師の研究協力者が確保でき、令和1年度初旬には看護師へ本調査を実施する日程も調整済みであるため、おおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和1年度は、本調査の8名の学生および7名の看護師の分析を行うとともに、分析結果から講義・演習プログラムを考案する。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会が大学行事と重なり参加できなかったのに加え、今年度に予定していた看護師への調査協力を次年度に行う予定に変更したため、その謝金として繰り越す必要があった。
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