2019 Fiscal Year Research-status Report
周術期看護における視線動きの分析結果より患者観察のための教授方法の構築
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17K17452
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
有澤 舞 東京家政大学, 健康科学部, 期限付講師 (50719135)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 周術期 / 視線比較 / 術後観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31(令和1)年度は、看護師7名に対して本調査を実施した。 昨年度までに実施した学生の視線測定及びインタビューの分析を行い、学術集会にて「術後観察における看護系大学の学生の言動と思考の実際」として発表を行った。 学生のデータ分析の結果、5つのカテゴリーが抽出された。【何をしたらいいのか分からない】では、学生は術後観察をどうしたら良いか、患者やドレーンに〈触れていいのか困っていた〉。【自分の行動の結果を考えて】では、わからないまま実施する事での〈患者に与える悪影響を考えて〉いた。【わからないけどやってみる】では、手術に関連する観察の根拠がわからないが、血圧測定、意識の確認、点滴の滴下確認など〈基礎看護学技術を基に自分が今できる観察〉を〈なんとなくやった方がいい〉と実践していた。一方で、【わからないことはやらない】では、患者の創部、排液ドレーンなど見慣れず自信がないものは、〈やっていいのか分からないから観察を諦め〉ていた。【自分の言動を客観視する】では、学生が演習終了後のインタビュー時に自分の動画を見ることで、実施する必要がある観察はなにか、なぜ観察するのかを振り返ってきた。 学生が「観察しない・できない」時は、分からないまま術後観察を行う事が患者へ負担となり、悪影響を与えてしまうと考えていた事が明らかになった。調査施設の成人看護学の術後観察演習は180分授業(90分×2コマ)であり、限られた時間で術後観察の根拠等の知識および技術を習得するのは難しい。それゆえ、シミュレーション人形を用いて繰り返し術後観察を演習し、技術を身に着けながら自分の言動を客観的に振り返り、その意味は何かを振り返る学習方法を構築する必要があると考える。また、観察を行う事は患者に負担となり悪影響を与えるのではなく、術後合併症の早期発見し患者に好影響となることを教授する必要がある事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成31(令和1)年度は、看護師の視線運動・インタビューを分析し、その結果を踏まえて学生に対し講義演習を実施する計画であった。しかし、研究者の学内業務の多忙により研究時間が確保できず、学生に対する講義演習プログラムを実施できなかった。令和2年度は、学生に対し講義演習プログラムを実施し、学習効果を検証したい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、講義演習プログラムを考案し、学生に実施、学習効果を検証する。 ただし、COVID-19の感染拡大防止のため、現在、学生の入校を制限している。そのため講義演習プログラムをオンラインで視聴受講可能な形式内容に変更し、その後のアンケート調査もオンラインで実施予定である。
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Causes of Carryover |
オンライン講義演習およびオンラインアンケート実施を行うため、ソフト及び集計人員を確保する予定のため。
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Research Products
(1 results)