2017 Fiscal Year Research-status Report
三次救急初期治療に求められるヒューマンケアリング解明と実践評価スケールの作成
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17K17455
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
橋本 茜 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助教 (00642084)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヒューマンケアリング / 三次救急初期治療 / 看護実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症患者の生命予後の大きな改善に伴い、集中治療室での治療後の長期アウトカム悪化に関連しうる障害の集合概念としてPost Intensive Care Syndrome(PICS)が提唱された。低侵襲治療等の治療介入因子の検討と共に、全人的救急医療の検討は、重症疾患回復後の生活の質(QOL)改善に寄与するものと考える。本研究の目的は、三次救急初期治療に求められる看護を、重症疾患後の患者のQOLを見据え、ヒューマンケアリングの見地から明らかにすることである。急性心筋梗塞(AMI)患者に着目し、AMI患者が救命救急センターに搬送されてから集中治療室や手術室へ移動するまでの三次救急初期治療において必要なヒューマンケアリングの要素を抽出する。また、その結果を用いて救急看護師のヒューマンケアリング実践評価スケール(Human Caring Scale for Emergency Care: HCSE)の作成を目指す。 第一段階として、クリティカルケアとヒューマンケアリングに精通する看護系大学教員・看護師で、AMI患者が治療を受ける三次救急初期治療の体系的分類を行った。三次救急初期治療の構成概念を整理し、治療過程やその中で必要となる看護実践を経時的に整理した。その結果、救急看護師は、患者の全人的苦痛に対応するため、物品や環境、看護師としての技能や感性の育成など、日頃からの準備を大切にしていることが明らかとなった。この結果をHolzemer(2000)のアウトカムモデル、ヒューマンケアリング理論を提唱するWatson(2008)のカリタスプロセスを用いて整理した。 第二段階として、第一段階で作成した資料を基に、具体的なヒューマンケアリングの要素を抽出するための半構造化面接を実施中である。今後は、ヒューマンケアリング項目抽出し、HCSEの作成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第一段階で得たデータの分析、第二段階の半構造化面接のインタビューガイド作成に時間を要した。第二段階の実施準備は整ったため、速やかに計画を実施できるよう努める。
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Strategy for Future Research Activity |
第二段階の半構造化面接の結果から、テキストマイニング手法を用いて実践可能なヒューマンケアリング実践項目を抽出する。 その後、抽出されたヒューマンケアリングの各要素の実践項目を、認定看護師、救急救命医のようなスペシャリストを招聘してフォーカスグループインタビュー(FGI)形式により検討し、ヒューマンケアリング要素の各実践項目を重要度と実践度(救急看護師のみ)の視点から5段階リッカートスケールで点数化する試作版HCSEを作成、検証する。
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Causes of Carryover |
当該年度に行う予定であったインタビューの実施が遅れたことによる。 次年度に、当該年度に実施予定でったインタビューを速やかに行う。合わせて、次年度実施予定のフォーカスグループインタビューや評価スケール作成にあてる。
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Research Products
(2 results)