2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a lung cancer survivor education programme for early recovery of post-operative health-related quality of life.
Project/Area Number |
17K17456
|
Research Institution | Naragakuen University |
Principal Investigator |
阿波 邦彦 奈良学園大学, 保健医療学部, 准教授 (60633344)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 肺がんサバイバー / 健康関連QOL / 身体機能 / ヘルスリテラシー / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺がん患者の術後健康関連生活の質(QOL)は運動能力と比べて回復が遅いことが明らかとなっている。そこで本研究は、肺がん患者の身体・認知・健康関連QOLとヘルスリテラシーを総合的かつ客観的に検証し、健康関連QOLの回復遅延要因を明らかにすること、術後の健康関連QOLの早期回復を目的とした肺がん患者教育プログラム作成のための足掛かりとなることであった。 研究を進めていくなかで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって社会は甚大な影響を受け、本研究も測定中止やリクルートが進まないことなど、大きな障壁によって実施期間を延長するに至った。 肺がん患者の術後健康関連QOLや6分歩行テストによる歩行距離等は先行研究と同様、有意に低下することが明らかとなった。さらにその傾向はCOVID-19前の症例でも、COVID-19後の症例においても同様の傾向が認められた。しかしながら、健康関連QOLの低下量と6分歩行距離の低下量との関連に着目すると、COVID-19前の症例では健康関連QOLの低下量と6分歩行距離の低下量との間に有意な正の相関を認めたのに対し、COVID-19後の症例では有意な相関は認められなかった。加えて、COVID-19前の症例において、ヘルスリテラシーと健康関連QOLは有意な正の相関を認めていたが、COVID-19後の症例においては有意な相関が認められなかった。 これらの結果から、当初ヘルスリテラシーを考慮した患者教育プログラムの開発は有効である可能性を感じたが、COVID-19後、健康関連QOLに身体機能やヘルスリテラシーが関与していないことが明らかとなり、我々が期待していた健康関連QOLの早期回復を目的とした患者教育プログラムの開発するには至らなかった。
|