2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K17457
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
奥井 早月 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (00783002)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 病いの語り / 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、治療中断を防止する支援モデルの開発を目指し、治療を継続している2型糖尿病患者の療養行動に対して意味づけをするための要素を明らかにすることを目的とする。2型糖尿病は治療中断率が高く、患者が治療を継続できるよう支援が必要である。治療中断したことがある2型糖尿病患者の行動の意味づけや、治療中断中にある患者の療養行動は明らかになっている。そのため、治療を継続している2型糖尿病患者の療養行動に対して意味づけするための要素を明らかにし、治療中断を防止できる支援モデルを目指す。本研究の方法は、慢性疾患看護専門看護師および糖尿病認定看護師が治療を継続している2型糖尿病患者と面接を行ない、療養行動に対する意味づけをデータとして収集する。次に面接事例の分析に取り組み、治療を継続している2型糖尿病患者の療養行動の意味づけをするための要素の仮モデルを作成する。 2019年度は、2型糖尿病患者との面接事例の収集を続けながら、分析を実施することを目的とし、5例のデータ収集と分析を行なった。2型糖尿病患者の療法行動に対する語りをもとにテクストを作成し、カテゴリー化を行った結果、9のカテゴリーが抽出された。9のカテゴリーは、<頭の片隅に糖尿病を意識して生活する><自分で理解する><身体に関心をよせる><一緒に糖尿病を背負ってくれる存在><自分への後ろめたさからの解放><四捨選択しながら実践する><自分のリズムを確立する><内省する力><この先の生活を守るための行動>であった。2020年度は引き続きデータを分析しながら、治療中断を防止する支援モデルを立案し、2型糖尿病患者の治療継続に向けた看護における援助技術の開発に貢献できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、治療中断を防止する支援モデルの開発を目指し、治療を継続している2型糖尿病患者の療養行動に対して意味づけをするための要素を明らかにすることを目的とする。2019年度は面接事例から2型糖尿病患者の療法行動に対する語りをもとにテクストを作成した。2020年度は2型糖尿病患者の療養行動の意味づけをするための要素の仮モデルを作成する。 2019年度は、2型糖尿病患者との面接事例の分析を実施した。2型糖尿病患者の療法行動に対する語りをもとにテクストを作成し、カテゴリー化を行った結果、9のカテゴリーが抽出された。9のカテゴリーは、<頭の片隅に糖尿病を意識して生活する><自分で理解する><身体に関心をよせる><一緒に糖尿病を背負ってくれる存在><自分への後ろめたさからの解放><四捨選択しながら実践する><自分のリズムを確立する><内省する力><この先の生活を守るための行動>であった。カテゴリーの結果から、治療中断を防止する医療者の支援は、患者の伴奏者としての姿勢を見せていくこと、患者が疑問をもち、内省しながら、自己理解が進むような関わりが必要であることが明らかになった。本研究は3名の研究協力者から得た療養行動の語りから療養行動に対する意味づけを明らかにしたが、面接事例数が少ないため普遍化することには限界がある。2020年度は引き続きデータを分析しながら、治療中断を防止する支援モデルを立案し、2型糖尿病患者の治療継続に向けた看護における援助技術の開発に貢献できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、収集したデータから治療を継続している2型糖尿病患者の法行動に対する語りをもとにテクストを作成し、治療を継続している2型糖尿病患者の療養行動に対して意味づけをするための要素を抽出することを目的とする。また、抽出した要素から治療中断を防止する支援モデルの仮モデルを作成し、臨床看護師や他研究者から意見をもらいながら治療中断を防止する支援モデルを開発することを目的とする。研究が計画通りすすまない場合は、治療を継続している2型糖尿病患者の療養行動に対して意味づけをするための要素を抽出すること、治療中断を防止する支援モデルを開発することを優先する。
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Causes of Carryover |
データ分析を行い、公表の準備を予定していたが、今年度は研究遂行が遅れている。そのため、データ分析後に行なう予定であったワークショップの開催や研究結果の翻訳作業が行なえずに使用金額が0となった。来年度は、ワークショップの開催や英語論文についての校正費や投稿準備をすすめていく。
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Research Products
(1 results)