2018 Fiscal Year Research-status Report
初期・二次救急外来受診後、帰宅する高齢者世帯患者に対する看護実践モデルの検討
Project/Area Number |
17K17458
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山口 真有美 関西医科大学, 看護学部, 助教 (90599995)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 救急外来 / 救急ー在宅連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域での生活者(とくに高齢者)に救急医療が必要となった、もしくは救急医療を受けた患者が地域生活に戻る場合の看護連携を確立していくことを目的としている。そこで今年度は、在宅看護の現場で何が起こっており、在宅医療・看護・介護に関わる専門職が救急看護師に何を求めているのか、明らかにしていく必要があると考え、訪問看護ステーションでのフィールドワークを実施した。 これにより、①病院から退院した患者は、疾患や入院中の治療過程で生じた、身体状況の変化に伴う生活の変化を想像できておらず、これまでの生活との乖離を自覚出来ていない状況で地域に戻っており、これは医療者側の情報伝達不足による問題が大きい、②訪問看護師は、“自分が利用者宅を離れたあと、患者本人と介護者が困らないように”と、1時間後から次回訪問時までのことを予測し、今、このときの訪問でできる看護を実践している。その中でも看護師がいなくなったあとの家族(介護者)負担についてアセスメントの重点が置かれている、③訪問看護救急看護師と在宅看護師の思考及び実践は類似点や連続性がみられ、親和性が高く、救急外来でのトリアージー帰宅時アセスメントー在宅ケアでのアセスメントツールを連動させることは可能である、との結論を得た。 これをもとに今後、「救急ー在宅連携・循環型アセスメントモデル」の構築に向け、現存するアセスメントモデルを統合しながら研究計画の再構成と倫理審査手続きを進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は救急外来看護師のみならず在宅ケアに関わる看護職等も対象としている。そのため、研究チームの構成に時間を要し、年度の目標達成には至らなかった。また、近年、地域包括システムを取り巻く環境や在宅ケアの場でのIT活用など状況が変化しており、今年度は現状把握に時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
救急外来看護師側は研究者のこれまでの研究への研究参加者を中心に協力を依頼し、在宅ケア看護師側の協力者については今年度フィールドワークを実施した施設の関係者等に依頼をする。ある程度研究チームの確立ができたため、さらに海外ERの帰宅者支援を参考にしつつ研究計画を修正し、倫理審査申請を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度は現地調査を中心に行なったため、本格的な研究実施調査の段階に入っていない。次年度早々に倫理審査申請し、承認後調査研究(面接調査)を実施するため、そのための旅費・謝金等に使用する。
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