2017 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の遺族におけるQOL向上のための終末期から継続した支援プログラムの開発
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17K17459
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
川原 美紀 (森下美紀) 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 研究員 (10758840)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Quality of Life / がん患者の遺族 / ケアの満足度 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの報告により、一般病棟または緩和ケア病棟で亡くなったがん患者の遺族のQuality of Life(QOL)を高めるためには、患者の終末期に、患者と家族介護者が医療者からどのようなケアを受けたかということが重要であると考えられる。しかし、日本では遺族を対象とした縦断研究が行われておらず、エビデンスに基づいた死別前からの継続的な支援が行われているとは言い難い。そのため、本研究は、家族介護者が認識するケアの満足度の視点に着目し、まず緩和ケア病棟に入院中の終末期がん患者の家族介護者のケアの満足度と、患者と死別後6か月時点のQOLとの関連を縦断的に検討する。続いて、終末期の入院中のケアの満足度に着目した、遺族のQOLを高める医療者向けの支援プログラムを開発することの2つを目的とした。これらの目的を達成することにより、患者の終末期の入院中から遺族のQOLを見据え、終末期がん患者の家族介護者への具体的なケアのポイントを医療者間で共有できることは意義が大きいと考える。 今年度は文献レビューを行い、研究協力者らとプロトコールや調査手順書を完成させた。その後、中部地方の病院Aと関西地方の病院Bの2施設(3緩和ケア病棟)のスタッフと倫理的配慮や手順を含めた打ち合わせを重ね、倫理審査委員会へ審査を依頼し承認を得た。そのうえで症例集積を開始し、病院Aでは100例、病院Bでは30例の症例集積が終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画は、プロトコールや調査手順の確定、研究参加依頼を行う医療機関との調整、倫理審査委員会への提出、症例集積を開始することであった。研究協力者と打ち合わせを重ねて密なコミュニケーションが取れたことにより、プロトコールや調査手順書の作成が予定より早めに終了した。そのため、症例集積がスムーズに開始され、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
目標数まで症例集積を継続し、2回目(患者と死別後6か月時点)の質問紙回収を行っていく。その後、統計解析を実施し、遺族のQOLを高める支援プログラムを開発する。 調査報告書の作成、論文作成および学会発表を継続して実施することにより、成果の公表を行っていく。
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Causes of Carryover |
協力施設が関西地方に1施設増えたため、旅費が当初の予定よりもかかることになり前倒ししたが、対象候補者がいない場合もあったため、残額が生じた。残額は平成30年度以降も引き続き行っていく症例集積の際の旅費に使用していく。
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Research Products
(1 results)