2017 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者の家族介護者のレジリエンスと死別後の精神的健康への影響に関する研究
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17K17460
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
清水 陽一 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 外来研究員 (50791935)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レジリエンス / 家族介護者 / 不安 / 抑うつ / 複雑性悲嘆 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレスのネガティブな効果を緩和する性格特性であるレジリエンス因子に着目し、家族介護者が有するレジリエンス因子が患者の死にゆくプロセスや死別に伴うストレスによる精神的苦痛に対して防御因子として機能し、死別後の精神的健康に影響するか否かを評価することを目的として本研究に取り組んでいる。 2017年度は4施設の緩和ケア病棟にご協力を得て、入院された終末期がん患者の家族介護者に対して、2017年4月1日~2018年3月31日の調査期間の間に、総計317名の方に自記式質問紙を配布し291名より返信を得た(91.5%)。返信を得た調査票のデータについて、データーのクリーニングを行い、現在ベースライン時点での家族介護者の精神的苦痛の状況や介護負担、受けた医療への満足度等について解析を行っているところである。 合わせて、2018年1月31日までに当該病棟で亡くなられた患者のリストを作成し現在遺族調査の準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査期間の延長や遺族調査の時期の遅延がそれぞれ1-2か月あったが、おおむね計画通りの進捗で研究を進めることができている。 ベースライン時点でのデータについては2018年度上半期に分析を行い、学会発表への演題登録、論文化を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は予定通り遺族調査を実施する。遺族調査は自記式質問紙調査票による郵送調査で、研究協力施設で指定の期間に亡くなられたがん患者の遺族を対象に、調査時点での精神的苦痛の程度、看取りにおける体験に関する認識について調査を行う。その上で、PCU入院中のベースラインのデータと遺族調査で得られたデータのうち、連結可能なデータを連結し死亡前後のコホートデータを作成し解析を進める。 2018年度中にベースライン時のデータ(入手済み)を用いた解析は一通り行い、学会や論文で積極的に発表する予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度は遺族調査を実施予定のため遺族調査のために必要な経費を使用する予定である。また、2017年度の調査で得た緩和ケア病棟入院中の終末期がん患者の家族介護者から得たデータは2018年度上半期中に分析し、速やかに適切な学会と論文に提出する予定であり、英文校正や学会発表渡航費を使用予定である。
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