2019 Fiscal Year Research-status Report
早産児におけるカンガルーケアの客観的な有効性の検証―循環変動を指標として―
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17K17471
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 麻友 香川大学, 医学部, 助教 (10786528)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カンガルーケア / 低出生体重児 / 心拍変動 / 愛着形成 / 母子 |
Outline of Annual Research Achievements |
早産児の母が、新生児集中治療室で行うカンガルーケア(児を母の乳房の間に抱いて裸の皮膚と皮膚を接触させるケア方法)における、母親・早産児への有効性を、母親の脳血流と心拍変動、児の心拍変動から客観的に検証する研究を行っている。この効果の検証をすることで、母子愛着形成促進プログラムの開発に応用が期待できる。 平成30年度は正気産児も含めたカンガルーケアの母児への効果に関する国内文献レビューを行ったが、令和元年度では更に文献レビューを行い、海外文献を含めて、低出生体重児における母親に対するカンガルーケアの効果に関する文献レビューの学会発表を行った。低出生体重児におけるカンガルーケアは、両親と児の愛着形成に良い影響をもたらし、両親の精神的・身体的状態を改善させる効果が見られた。しかし、低出生体重児におけるカンガルーケアの効果を検証した研究はまだ少なく、適切な統計を用いた分析を行った研究が更に必要であることが示された。 令和元年度において新たな母親の脳血流・心拍データ、児の心拍データを測定できておらず、現段階対象者の測定データが不足しているが、今後の研究においては、Covid-19に起因する感染症等の拡大を防止するために、同一機材を使用して測定する母親の脳血流・心拍データは測定せず、既に持続的にモニタリングされている児の心拍データを抽出する。また母親の愛着に関する質問票も併せて、カンガルーケアの効果を分析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象者の特性から、常に研究対象者として確保できる状態ではないこと、また母親の精神状態等も考慮し、即時的に研究データを取得することが困難であった。 またデータ測定には多数の機器の調整と一定の連続的時間を要し、研究者の本来の業務との調整がつかない状況が見られた。更に一部の研究機器を他の研究者と共有しており、使用に制限があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、Covid-19に起因する感染症等の拡大を防止するために、同一機材を使用して測定する母親の脳血流・心拍データは測定せず、既に持続的にモニタリングされている児の心拍データを抽出する。また母親の愛着に関する質問票も併せて、カンガルーケアの効果を分析していく予定である。
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Causes of Carryover |
文献レビューに関する学会発表は行ったが、今年度予定していた研究成果学会誌発表などが行われず、雑誌投稿や英文校閲費用にあたる予定使用額が余剰となった。来年度に関しては、雑誌投稿費用や学会発表に関する費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)