2017 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期の重症心身障がい児の家族のヘルスリテラシーの様相の解明
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17K17475
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
椿 祥子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (10604861)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 障がい児 / 家族看護 / ヘルスリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
多職種から療育支援を受けている乳幼児期の重症心身障がい児の家族のヘルスリテラシーの様相を明らかにし、家族のヘルスリテラシーが向上するための要素を解明することで、家族のヘルスリテラシーを向上するための看護の示唆を得ることを目的に、障がい児の家族6名にインタビュー調査を実施した。倫理的配慮として、研究者の所属している大学の倫理審査委員会の承認を得た。医療型障がい児通所施設2施設に研究協力を依頼し、対象者を選定し紹介してもらった。選定の条件は、①3歳以上の幼児、②大島分類の1~4の重症心身障がい児、③在宅での生活を始めて1年以上経過している児、④療育支援のうけられる通園施設に通園し、通園開始から1年以上経過している児、⑤多職種から療育支援を受けている児、⑥定期的に通園し、児の健康状態が落ち着いている児、とした。対象児の概要は年長児5名、年中児1名で、男児2名、女児4名であった。疾患は先天性の脳障害を伴う疾患を有する児が3名、先天性の染色体異常児が1名、原因不明の児が1名、後天性の脳障害児1名であった。インタビューをした家族は6名全員母親で、30代半ば~40代前半であった。インタビューは、対象児の状態や生活の様子、家族の思いや考え、支援内容について、障害が分かってから児が退院して自宅で生活し始めるまで、自宅で生活しはじめてから療育施設への通園を開始するまで、療育施設に通園を始めてから現在までと大きく3つの時期に分けて、実施した。インタビュー時間は133分~267分であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビューによるデータ収集は、障がい児の療育支援をしている療育者と家族の両者に同時期にインタビューを行なう予定であり、平成29年度と平成30年度で行い、平成31年度が分析をして結果をだす予定であった。しかし、第1段階として家族のみを対象の研究に変更した。その理由としては、家族のヘルスリテラシーの様相の解明として、まずは、家族の立場から見た事実や認識からヘルスリテラシーの様相を明らかにすることが必要だと考えたためである。その上で、療育者の障害児の見方や支援の意図を合わせて考えることで、客観的な視点も付加されると予想される。 家族へのインタビューは対象者6名中5名は終了しており、残りの1名も平成30年6月に終了予定である。インタビュー後は分析過程に入る予定であるため、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年9月までに事例ごとにインタビューデータから研究素材を作成する。平成30年12月までに、個別分析を行ない、事例ごとに家族のヘルスリテラシーの様相を明らかにする。平成31年3月までに、全体分析にて、個別分析の結果を比較検討し、乳幼児期の重症心身障がい児の家族のヘルスリテラシーの様相を明らかにし、家族のヘルスリテラシーが向上するための看護の示唆を得ることとする。
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Causes of Carryover |
モバイルパソコンを購入予定であったが、購入しなかったため、次年度に購入する予定である。また、インタビュー対象者への謝金、インタビューや研究会議、研究指導のテープ起こし業者委託料、研究素材の作成や分析に必要なパソコンの購入、専門知識や最新の知識の獲得のための関連図書の購入、文献複写代、学会の年会費や学術集会参加費などに使用する予定である。
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