2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of Aspects of Health Literacy of Families of Children with Severe Motor and Intellectual Disabilities in Infancy
Project/Area Number |
17K17475
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
椿 祥子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (10604861)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 障害児 / ヘルスリテラシー / 家族看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象者6名のうち1名の結果について、幼児期に障害を負った中途障がい児の家族について事例報告としてまとめ、現在重症心身障害学会誌への投稿に向けて準備中である。結果として明らかになったことは下記のとおりである。A児の母は、療育で児の状況や見方、関わり方の知識を得ることで、児の小さな変化に気づき、児のできることの増加が母の励みになるという新たなヘルスリテラシー(以下HL)を獲得し、精神的に安定して児への関わりは介護から子育てとなってきたと感じるというHLを獲得していた。母に余裕ができると、父を気遣い、父がリフレッシュできると、父が母を支え、母もリフレッシュできるという両親で支え合うHLや下の子と過ごす時間も必要と考えるというきょうだいに対するHLの発揮がみられた。そして、短期入所の利用は家族にとって大切だと思うという児と家族が健康的に過ごすための社会支援活用というHLの獲得・発揮となっていた。このような新たなHLの獲得・発揮と同時に、積極的に知識を獲得し、社会関係に自ら働きかけて必要な環境をととのえ、他者に感謝し、家族と過ごす時間を大切にし、病気によるマイナスだけではなく、プラス面をととのえるという、これまでに獲得したHLは常に発揮されていた。考察を通して、看護は、それまでに獲得した家族のHLを見極め、それが発揮されつつ、変化した児を理解し、健康的な家族生活に必要な新たなHLが獲得できるよう支援することであるとの示唆を得た。
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