2017 Fiscal Year Research-status Report
小児がんを抱える子供の闘病体験を意味づけていく親への看護支援プログラムの開発
Project/Area Number |
17K17482
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
入江 亘 東北大学, 医学系研究科, 助手 (60757649)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 小児がん / 親 / 家族 / サバイバーシップ / Post-traumatic Growth / 心的外傷後成長 / 意味づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,造血器腫瘍を抱える子どもの闘病体験を親が意味づけていく過程の解明,理論の産出を目指しインタビュー調査の計画・実施に取り組んだ。まず,研究に用いる概念を洗練させるため,意味づけのより狭義の概念としてPost-traumatic Growth(PTG)に着目し,小児がんの子どもをもつ親のPTGについて先行文献から整理した。対象の治療過程を均一化するため,小児がんを抱える子どもから造血器腫瘍を抱える子どもへと変更した。研究組織体制の構築では当初2施設での研究予定としていたが,研究協力体制を整え3施設の実施が可能となった。2名のプレインタビューの実施後,各調査施設における倫理委員会から承認を得た。本年度は造血器腫瘍を経験した26家族と小児がんに携わる4名の医療者に調査説明を行い,15名の親と4名の医療者から承諾を得た。年度内で9名の親と4名の医療者へのインタビューが完了し,分析を開始している。次年度より本格的に実施となる分析に関しては,本研究で用いる質的研究手法であるM-GTAの研究会にも積極的に参加し,分析の質確保に重点的に取り組んだ。次年度は研究会でスーパーバイズを受ける予定である。 さらに,今後のケアプログラム開発に向け,文献詳読および国際小児がん学会の参加,ワシントンD.CのChildren's National Medical Centerの見学を行った。領域内の海外の研究者との交流を深めることができたほか,小児がんの子どもをもつ家族への心理社会的支援に関する最新の動向やプログラムの具体内容,支援の実際を知ることができ,インタビューの次の段階で計画しているケア要素の抽出に関する調査の質問項目やプログラム内容の検討の基盤となる資料や助言を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標症例数のインタビュー調査実施には至らなかったが,年度中に目標症例の3/4以上となる対象から調査参加の意向を得ることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査と分析を進める。結果を踏まえ,次の段階の研究計画・デザインの洗練をすすめる。また,現在の調査結果がまとまり次第,学会報告および論文投稿をすすめる。
|