2017 Fiscal Year Research-status Report
脳性麻痺発症のリスクが高い早産児の両親の父親役割遂行に向けた調整を支える看護援助
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17K17484
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
下野 純平 千葉科学大学, 看護学部, 助教 (00782476)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 早産児 / 脳性麻痺 / 両親 / 父親役割 / 調整過程 / NICU |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳室内出血もしくは脳質周囲白質軟化症を合併し、脳性麻痺発症のリスクが高まった早産児の両親の父親役割遂行に向けた調整を支援する、新生児集中治療室(以下、NICU)における看護援助を明示することである。平成29年度は以下を行った。 ①看護援助の開発に向けて、NICU における具体的な看護援助を検討するために国内外の先行研究より、「親子関係形成への看護援助」や「父親と母親間の関係性への看護援助」などに注目し、文献検討を行った。文献検討は当初、介入研究のみに焦点を当て行う予定であったが、NICUに入院している子どもと家族への看護援助そのものが開発途上にあることを考慮し、看護援助の内容をなるべく広く抽出できるよう、介入研究に限らず文献検討を行った。 ②先行研究「脳性麻痺の診断を受けた早産児の両親の父親役割遂行に向けた調整過程」で得られた結果および、上記①の文献検討より得られた結果より、脳性麻痺発症のリスクが高い早産児の両親の父親役割遂行に向けた調整を支援する看護援助を開発した。 ③開発した看護援助の内容的妥当性および実行可能性の検討のため専門家会議を行った。専門家会議によって得られたデータを分析し、看護援助を修正した。今後は、1)さらに開発した看護援助の、内容の検討および家族との共有方法を検討していくこと、2)専門家会議で得られたデータを基に、臨床での使用を目指した実践マニュアルの作成をしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
看護援助の開発までに時間を要したが、専門家会議は順調に行うことができたため、交付申請書に記載した研究実施計画に沿っておおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、平成30年度は、作成した看護援助を用いてパイロットスタディを行う予定であった。しかし、開発した看護援助は早産児の出生時より看護援助を展開していく必要があり、倫理的配慮の問題から施設より研究協力が得られず、パイロットスタディを行うことが難しいと判断した。そのため平成30年度は、早産児の両親へのインタビューにより、開発した看護援助の、更なる内容の検討および家族との共有方法を検討することを予定している。また、臨床での使用を目指し、開発した看護援助の実践マニュアルを作成していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究はおおむね順調に進み、研究費も研究の遂行に合わせ計画通り執行しているが、当初の計画よりも設備備品が安く購入できたため、次年度使用額が生じた。 平成30年度は、面接調査の旅費や面接調査・データの保管に必要な備品の購入等を計画している。
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