2020 Fiscal Year Research-status Report
社会的ハイリスク母子への周産期支援スクリーニングシートの開発
Project/Area Number |
17K17488
|
Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
水野 真希 駒沢女子大学, 看護学部, 准教授 (60547181)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 社会的ハイリスク妊婦 / 母子保健 / 周産期医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では予定外妊娠をした女性を含む社会的ハイリスク妊婦への支援に対する認識は高まりつつあるが、標準化された方策はなく、各々の行政機関や産科医療機関に委ねられている現状がある。このため、社会から見過ごされたまま地域で母子は生活することになり、母子の心身への健康リスクを強める可能性がある。 研究の目的は行政機関で母子保健に携わる保健師や助産師の社会的ハイリスク妊婦の特定方法と支援の実際について明らかにするため、2019年2月1日から2020年5月にかけて、5つの行政機関で母子保健に携わっている保健師や助産師9名を対象として、半構造的面接を行った。研究データは質的帰納的分析を行った。逐語録を作成し、コード化し、コードに共通して見出される意味内容を、サブカテゴリー、そしてカテゴリとして統合した。 その結果、(1)社会的ハイリスク妊婦の特徴 (2)社会的ハイリスク妊婦の特定方法 (3)社会的ハイリスク妊婦特定の困難さ (4)支援に向けた看護職の活動 (5)実際の妊婦への支援内容 (6)支援を行う上での困難さの6つの大カテゴリーが抽出された。また、5つの行政機関で使用されているスクリーニングシート項目について内容分析を行った結果、共通する項目と地域独自の項目があった。 共通している項目は、母親の情報は9項目、父親の情報は1項目抽出された。 母親の情報「家族構成」「飲酒喫煙有無」「現在の体調」「これまでの妊娠出産歴(流産や中絶歴含む)」「妊娠が分かった時の気持ち」「相談や支援者の存在」「現在困っていること」「妊娠中の異常や合併症の有無」「病歴」が項目になっていた。父親の情報としては「同居家族の喫煙」のみであった。地域独自の項目として「不妊治療の有無」「年収」「BMI」「朝食摂取状況」「寝られないイライラの有無」「子どものころの愛情の有無」「赤ちゃんへの思い」などが挙げられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Covid-19の影響で、データ取集が昨年は実施できなかったことから、2020年5月までに収集したデータを分析し、結果を導き出した。データ収集数は当初の目標より少ないが、結果を導けるだけのデータは最低限整ったことから、分析を行い、結果を出していった。
|
Strategy for Future Research Activity |
Covid-19の影響でデータ収集を2020年5月で中止し、結果を導き出したことから、今後は研究報告書の作成と学会などで公表していく。
|
Causes of Carryover |
Covid-19の影響により、研究が中断し、対象施設までの訪問費用の支出が不要になったことや、学会参加もオンラインに切り替わり、旅費などが不要になっため使用額が変更となった。
|
Research Products
(1 results)