2019 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患をもつ学童期の子どもに対して母親が行う病気説明の構造
Project/Area Number |
17K17490
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
遠藤 晋作 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (60750883)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / 病気説明 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、先天性心疾患をもつ学童期の子どもに対して母親が行う病気説明の構造を明らかにすることであり、第一研究と第二研究で構成している。 第一研究では、小児科病棟へ検査入院をする先天性心疾患をもつ学童期の子どもの母親を対象として、幼児期・学童期までの発達段階ごとの子どもに行ってきた病気説明の内容、病気説明の内容選択に影響した要因について半構成的面接により調査した。平成30年度までに、調査を計画通り終了し、データをSCATの手法を用いて分析した。その結果、学童期までの子どもに対して母親が行う病気説明について、発達に応じた特徴と病気説明の内容を選択することに影響を及ぼす要因からそのプロセスを明らかにし、子どもに対して母親が病気説明を行う上での支援方法を示した。この成果については、途中経過を平成30年度開催の日本小児看護学会第28回学術集会にて学会発表し、令和元年度には論文が日本小児看護学会誌28巻に掲載された。またデータを別視点で分析を行い、日本小児看護学会第29回学術集会で発表を行った。 また令和元年度は第二研究を進行した。これは先天性心疾患をもつ学童期の子どもの母親を対象とした無記名自記式質問紙調査である。調査内容は、母親の属性、子どもと疾患の属性、子どもの社会性の発達評価、子どもに対して母親が行う病気説明における内容選択の基準とした。子どもの社会性の発達評価にはASA旭出式社会適応スキル検査、子どもに対して母親が行う病気説明における内容選択の基準には研究者の先行研究にて明らかにした項目を用いた。現在は倫理的な手続きを終え、大学病院の小児科外来にて調査を行っている。2020年度8月まで調査を行い、その後分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第二研究の依頼先が患者会から大学病院の小児科外来に変更された関係で、調査の開始時期に若干の遅れが生じた。また現在調査中ではあるものの、新型コロナウイルスの情勢を受け、調査を一時中断している状況である。研究計画全体としては大きな遅れとはなっていないが、状況が変わり次第、早急なデータ収集と分析が必要と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
調査が可能になり次第、アンケート調査を再開する。データ収集は令和2年8月までを目途に行い、調査を終え次第、データ分析を行う。分析方法は、①子どもに対して母親が行う病気説明の選択の基準について、因子分析を行い因子を抽出する、②子どもの社会適応スキルと明らかにした因子との関連性を明らかにする、の2つの分析を数値化されたデータを利用して統計学的に行う。分析がまとまり次第、成果の学会発表および論文化を進めていく。
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Causes of Carryover |
第二研究の調査開始が協力依頼先の変更により遅れ、さらに新型コロナウイルスの情勢を受けて調査を一時中断したことにより、使用予定であったASA旭出式社会適応スキル検査のアンケート使用料・研究参加者と調査協力者への謝金の使用がなかったため、次年度へ繰り越しとなった。繰り越し分は調査を再開し次第、使用していく。
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