2021 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患の成人移行期支援体制の構築過程の可視化と支援による効果の検証
Project/Area Number |
17K17494
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
本田 真也 関西国際大学, 保健医療学部, 講師 (70619692)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心臓疾患-先天性 / 小児医療から成人医療への移行 / 外来看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アクションリサーチの手法を用いて、先天性心疾患の子どもとその家族が成人期を迎えるにあたっての看護師による支援体制を構築し、継続する過程で必要なものが何かを明らかにすること、また、こういった移行期支援を受けることによる子どもと家族への効果を明らかにすることである。 昨年度から続き、年度当初は新型コロナウイルス感染症による研究協力施設における研究活動に支障があった。また、研究協力施設の看護管理者や研究実施部署の人事異動があったため、研究フィールドとの再調整を行った上で、年度途中より、調査を再開した。 調査の再開に先立って、再度、研究フィールドの現状調査を行なったところ、いくつかの状況が変化が見られた。一つは、研究フィールドにおいて移行期支援体制を構築する動きがでており、これまでの研究活動での成果との擦り合わせが必要となった。二つめは子どもと家族への支援はされていたが、本研究において構築した移行期支援の方向性、方法を共有できている看護師が少なく、継続させていくことが困難なことであった。 それらの変化による課題に対応し、研究フィールドでの動きも考慮しながら、コアメンバーとしての研究協力者(看護師)を依頼し、子どもと家族への支援に活用するための教材の作成、それらの教材を研究協力部署の看護師が支援を行う際に活用できるガイドの作成という新たなアクションを追加した。そのため、教材の提案とコアメンバーの看護師との検討、修正を繰り返すことで、支援体制の構築につなげており、その活動における変化をデータとして収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、研究協力施設における研究活動に支障をきたしていたが、年度途中より、調査活動を再開した。 研究活動の再開にあたり、改めて現状を把握したところ、研究活動の中断により、移行期支援体制の継続することの困難さが見られたため、研究計画を変更し、新たなアクションを追加した(具体的な内容は、研究実績の概要欄を参照)。その後は順調に研究計画が進捗しているといえるが、アクションを追加・修正したことで、研究終了までの課題達成からするとやや遅れていると評価した。 また、2つ目の研究目的である支援による効果の検証と研究結果の公表の側面も考慮し、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の課題とした移行期支援体制の継続のための子どもと家族への支援ツール、また、それを看護師が活用するためのツールを一旦、完成させ、実際に対象者への活用を開始する。その結果を看護師からデータ収集を行い、改善を繰り返すことで、最終的な支援体制の構築と今後の課題を明確にする予定である。最終的に研究協力施設での移行期支援体制を継続できる仕組みを整えることで調査を終了する。 また、過去に研究協力を得られている子どもと家族について、研究期間の延長に伴い、追加のデータ収集を遂行することで看護師による移行期支援によって、どのような効果があったかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
旅費として計上していた予算については調査活動の制限や情報収集や発表のための学会等がオンライン開催となったことで使用額が削減された。また、子どもと家族へ支援のための教材の作成費用や購入費用として計上していた予算は、それらの完成が年度内に終了しなかったため、次年度への繰越となった。 今年度も前年度と同じ方向性で調査を継続するため、教材を活用しながら、内容の精錬を図り、今後の移行期支援を継続していくための教材作成の費用と旅費が、支出の中心となる使用計画である。また、研究成果をまとめ、発表するためにも使用も計画する。
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