2017 Fiscal Year Research-status Report
慢性疾患患者がいる家族と看護師の家族コンコーダンス達成力アセスメントモデルの開発
Project/Area Number |
17K17495
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
高谷 知史 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (90757303)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 家族コンコーダンス / 家族ケア/ケアリング / アセスメントモデル / 家族看護学 / 慢性疾患 / 家族のセルフマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,家族と看護師の家族コンコーダンスの取り組み(達成力)に影響する因子を明らかにするためのインタビュー調査に向けた文献検索・検討を実施した.さらに,先行研究において実施した家族を対象とした家族コンコーダンスの取り組み(達成力)に関するインタビューデータの逐語録を再分析し,家族と看護師の家族コンコーダンスの取り組み(達成力)に影響する因子に関する記述を抽出した.具体的には,まず国内外のコンコーダンス関連資料の文献検索を実施し,国内文献では104件,海外文献では65件が抽出され,合計169件を分析対象として文献検討を行った.その結果,【患者・家族因子】【医療職者因子】【環境・組織,状況因子】のカテゴリが明らかになった.【患者・家族因子】では,「患者の情報理解力」「家族の治療への無関心」など,【医療職者因子】では,「治療に関する知識を共有する姿勢」「患者に理解できる説明の仕方」など,【環境・組織,状況因子】では,「医療スタッフの不足」「多様な文化背景」などが抽出された.また,既存のインタビューデータの再分析の結果,【家族因子】として「医療職者への遠慮」など,【医療職者因子】として「家族との関わりへの抵抗感」などの影響因子が抽出された. 以上より明らかとなった家族と看護師の家族コンコーダンスの取り組み(達成力)の影響因子の妥当性を検討し,さらに不足している影響因子を抽出するために,現在,看護師を対象としたインタビュー調査を実施中であり,家族を対象としたインタビュー調査については,倫理審査委員会に申請中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画に加え,先行研究のインタビューデータの再分析による影響因子の抽出を実施したため,国内外の文献検討および並行して実施した看護師を対象とした家族コンコーダンスの概念構築に関する調査(科研外)の分析に予定より時間を要したが,次の調査のための準備としてはより洗練されたと考える. また,看護師を対象とした家族コンコーダンスの概念構築に関する調査(科研外)の調査過程において,当該研究課題の平成29年度後半に計画していた家族を対象としたインタビュー調査(現在,倫理審査に申請中)の研究フィールドが開拓できたため,倫理審査委員会の審査を受け学長承認を得た後,調査依頼を開始する準備は整っている.さらに,平成30年度に計画しているインタビュー調査の対象者である看護師の募集(一部)もその調査過程で完了しており,現在,その看護師を対象にインタビュー調査を実施している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,平成29年度の研究成果を国際的な学術集会で発表予定である.また,現在,申請中の倫理審査委員会の審査を受け学長承認を得た後,平成29年度の後半に実施予定であった家族へのインタビュー調査を進めていく.さらに,並行して看護師へのインタビュー調査を実施し,家族と看護師がもつ家族コンコーダンスの取り組み(達成力)に影響する因子を定性的に検討する予定である.
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Causes of Carryover |
平成29年度に計画していた,家族を対象としたインタビューが未実施のため,主にデータ整理のために使用予定であった人件費・謝金が未使用のままである. 平成30年度は,平成29年度の研究結果を国際学会で発表する際の参加費および旅費,家族および看護師へのインタビュー調査に係る交通費や人件費・謝金などに使用予定である.
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Research Products
(2 results)