2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者ケアに従事する看護職・介護職の腰痛と身体活動,心理的要因との関連
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17K17497
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
永田 美奈加 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10461716)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者看護 / 高齢者介護 / 腰痛 / 身体活動 / 心理的要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、高齢者ケアの現場では介護・看護職員の腰痛の増加が顕著である。腰痛は離職意向にも影響しているといわれ、早急な取り組みが必要である。しかし、福祉機器や補助具の利用等を含む予防対策が十分に進んでいるとはいえず、その実態に関する報告も少ない。本研究の目的は、高齢者ケアに従事する介護職・看護職の腰痛と腰痛予防への取り組みの実態と腰痛と生活や環境を含む要因との関連を明らかにすることである。 29年度は、1.本研究に関して実施した事前調査の分析を行い、高齢者施設に勤務する看護職員の健康状態と仕事継続について明らかにすること、2.高齢者ケアに従事する介護職・看護職の腰痛と予防対策、福祉用具の使用状況等に関する実態調査を行うことを目的とした。 1.高齢者施設に勤務する看護職員において職業継続意思がない者は、職業継続意思がある者と比較して、身体的健康状態・こころの健康状態がよくないと回答した者が多かった(p<0.05)。さらに転職したいと思う理由のひとつに「腰痛がある」「腰痛悪化への不安」を含む健康上の不安が挙げられた。腰痛は職業継続意思にも関係していることが明らかとなった。また、身体的・心理的健康状態がよい者および仕事継続意思がある者は、そうでない者に比べ、倫理的感受性を示す得点が高い傾向も示され、健康状態は高齢者へのケアの質にも影響する可能性が明らかとなった。 2.全国の介護保険施設に勤務する介護職・看護職を対象とした質問紙調査を行った。職場における腰痛予防マニュアルの認知について、十分に浸透しているとはいえない状況がみられた。また、職場に福祉用具があっても、時間・用具の不足、使用方法が分からない・使用に慣れていない等、福祉用具の活用に関する課題が挙げられた。腰痛と腰痛予防への取り組みの詳細および生活や環境要因との関連については現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前調査の分析を行い、結果の一部を学会発表・論文として公表した。また、予定していた調査「高齢者ケアに従事する介護職・看護職を対象とした腰痛に関する調査」を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者ケアに従事する介護職・看護職の腰痛と腰痛予防の実態、腰痛と身体活動・心理的要因との関連について分析を進め、結果を学会等で報告する。また、結果の分析から職員の健康管理や職場環境の整備に必要な取り組みについて示唆を得ると共に、福祉機器・補助具の活用を含めた腰痛予防対策強化に向けた検討につなげる。
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Causes of Carryover |
29年度は調査内容の検討と調査の実施に重点をおいた。学会のための旅費および質問紙調査実施に伴う支出となった。調査実施のための人件費を計上していたが、自身で行ったため使用しなかったこと、また必要物品については調査結果を基に次年度購入することとしたことから次年度使用額が生じた。これらの金額と次年度以降に請求する研究費を合わせた使用計画について、主に学会参加のための旅費および結果の分析に関する人件費、29年度購入予定であった物品の購入、論文の投稿に使用することなどを計画している。
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Research Products
(2 results)