2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of comprehensive rehabilitation for pelvic floor disorder in older women
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17K17500
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 倫恵 (平川) 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (00747389)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨盤底機能障害 / 骨盤臓器脱 / 腹圧性尿失禁 / 高齢女性 / 脊柱アライメント / 体幹筋肉量 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は骨盤臓器脱や腹圧性尿失禁等の骨盤底機能障害に対する包括的なリハビリテーションを開発し、治療効果を検証することである。 2019年度は、骨盤臓器脱と同様に骨盤底筋群の脆弱化により惹起される骨盤底機能障害のひとつである腹圧性尿失禁と脊柱アライメントをはじめとする身体特性との関連について検討を行った。その結果、腹圧性尿失禁を有する地域在住高齢女性(腹圧性尿失禁群)においては、尿禁制が保たれている高齢女性(対照群)と比較して、body mass index(BMI)が有意に高く(23.3 ±3.2 vs 21.8 ±2.9, P<0.05)、体幹筋肉量が有意に低値で(8.5 ±0.7 vs 9.7 ±1.8, P<0.01)、胸椎後弯角が有意に高値であった(41.4 ±11 vs 35.0 ±9.5, P<0.05)。また、従属変数を腹圧性尿失禁の有無、独立変数を腹圧性尿失禁群と対照群との比較において有意差のあったBMI、体幹筋肉量、胸椎後弯角とし、二項ロジスティック回帰分析(強制投入法)を行ったところ、腹圧性尿失禁の有無に影響を及ぼす因子として、体幹筋肉量、及び胸椎後弯角が抽出された。さらに、腹圧性尿失禁の重症度と体幹筋肉量との間に有意な負の相関(r=-0.36, P<0.01)、胸椎後弯角との間に有意な正の相関(r=0.27, P<0.05)を認めた。これらの結果より、腹圧性尿失禁への介入には、体幹の筋や脊柱アライメントに着目することが有用である可能性が示唆された。本研究における研究成果は学会において発表を行い、論文投稿を進めている段階である。現在は、骨盤底機能障害に対する包括的なリハビリテーションの開発に向けて予備検討を行うとともに、骨盤臓器脱を有する中高年女性における脊柱アライメントおよび骨盤底機能に関するデータ収集・解析を継続して行っている。
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Research Products
(2 results)