2018 Fiscal Year Research-status Report
精神科救急外来での非自発的入院を防ぎ患者の主体性を維持するための支援方法の検討
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17K17501
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梶原 友美 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90706920)
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Project Period (FY) |
2018-02-28 – 2021-03-31
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Keywords | 精神科救急急性期 / 非自発的入院 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、欧米に比べ精神科アウトリーチが十分に発達していない我が国において、精神症状の急性期に、非自発的入院を防いだり、非自発的入院であっても患者が可能な限り強制力を認識せず、主体性を維持するための支援方法を実態調査をもとに検討することを目的としている。 非自発的入院は、時に治療の必要性の認識が困難となる精神疾患の特性を考慮し、法律で定められている入院制度である。しかし、非自発的入院は、現在、患者が強制力や屈辱を認識することに関連しており、その後の精神医療の主体的な活用にも悪影響を及ぼすことが明らかになっている。特に我が国においては、非自発的入院が他先進国と比較しても高く、非自発的入院を防いだり、患者の強制力の認識につながらない支援方法の検討が必要であると考える。 平成30年度は、支援実態をより詳細に調査するために、文献検討と事前調査によりインタビューガイドを作成した。現在、倫理審査書類の作成と共に、依頼先を検討中である。 また、対象に関して、計画の当初は、精神科救急外来を対象としていたが、精神科救急医療体制整備事業の目的や、事業の実績を勘案した結果、対象を精神科外来まで広げることとした。つまり、精神症状の急性期に非自発的入院や強制的介入を防ぐために精神科外来で行われている支援実態やその障壁を明らかにし、急性期であっても、可能な限り患者が主体性を維持し、強制力を認識しないための支援方法を検討することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育休復帰に伴う、引継ぎや研究体制の再構築により当初の予定よりやや遅れている。また、インタビュー対象を当初の予定と変更したため、当初の予定より依頼施設の検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、大阪府下の精神科外来に勤務する医師、看護師、精神保健福祉士、心理士といった非自発的入院時に支援を行う医療者に対し、個別インタビューを行い、質問紙を作成する。
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Causes of Carryover |
当初、平成30年度中に行う予定であったインタビュー調査のための旅費や、データ分析のための人件費を計上していたが、インタビュー調査が実施できなかったため、使用しなかった。 平成31年度は、インタビュー実施に伴い、旅費、同意書などの作成に伴う物品費、データ分析の補助のための人件費を計上する。
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